同氏はまだ改善の余地があることを認めている。例えば、エンゲージメントがプラスのものか、マイナスものかは、簡単に判別できないこともある。「予備選の過程を見ると、トランプ氏に対して否定的な会話が非常に多かった」とRai氏はCNBC対して述べている。「しかし、これらの会話が増えていった結果、終盤ではトランプ氏が有利になり、最終的にはかなりの差を付けて予備選に勝利した」
一方で、Bloomberg Politics、CBS News、Fox News、Reuters/Ipsos、USA TODAY/Suffolk、Quinnipiac、Monmouth、Economist/YouGov、NBC News/SMや、選挙結果予想で非常に著名なNate Silver氏のウェブサイトFiveThirtyEightに至るまで、60件を超える米国内の著名な世論調査のうち、そのほとんどが世論調査がヒラリー氏がリードしていると伝え、クリントン氏に対するマイノリティの支持を過剰に評価し、白人有権者のトランプ氏に対する支持を低く見積もっていた。
トランプ氏の有利を伝えていた調査は6つに過ぎない。それらはいずれも、この分野ではあまり有名ではなかったLos Angeles Timesと南カリフォルニア大学の継続的世論調査に基づいていた。これらの調査は、選挙日程の終盤ではトランプ氏が一貫して有利だという予想を示していただけでなく、他の調査では利用を避けていた、募集した有権者に対するインターネット調査を利用していた。
未来
今後は、政治の行方を占う新たな手法が主流になっていくだけでなく、それらの手法はさらに改善されていくだろう。MogIAが誕生したのは2004年だが、その後常に研鑽を続けてきたという。
「多くのアルゴリズムはプログラマーや開発者の影響を受けているが、MogIAは環境から学び、政治のとらえ方に対するルールを独自に生み出し、データを省くことなしにエキスパートシステムを発達させてきた」とRai氏は述べている。
同氏は、データがさらに詳細になれば、MogIAの予想も正確になっていくと考えている。例えば、もしGoogleから匿名化されたデバイスのアドレスデータを受け取ることができ、ある人が予備選について検索をした後に、トランプ氏に投票をする方法を調べたといったような情報が得られれば、有権者の考えを完全に読み解ける可能性があると同氏は言う。
選挙の分析手法は明らかに新たな時代に入っており、ムンバイのあまり有名ではない企業が、比較的無名のままこの分野を開拓しつつある。しかし、その名前はすぐに有名になり、選挙結果予想の方法も近い将来に変わる可能性が高い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。