すかいらーくは、4カ所の自社データセンターを1カ所の新データセンターに統合するプロジェクトの一環として、24時間365日稼働の店舗システムを無停止で新データセンターに移行し、6月から本格運用を開始した。移行プロジェクトを手掛けた新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)が11月29日に発表した。
「ガスト」「バーミヤン」など約3000店舗のファミリーレストランチェーンを展開するすかいらーくは、2015年8月から、データセンターの移行プロジェクトを開始した。同社の店舗システムは、かつてカンパニー制を導入していたために4カ所のデータセンターに分散している。これを、2019年末を目標に、1カ所の新データセンターに統合する計画だ。
4カ所の旧データセンターで稼働する業務システムは、オーダーエントリや勤怠シフト管理など店舗の基幹業務を支えており、24時間の店舗営業を止めないためには業務システムを無停止で移行する必要があった。同社は、全店舗のシステムを一括して新データセンターへ切り替えるのはリスクが高いと判断し、複数回に分けた切り替えを進めている。そのため、旧データセンターで稼働する店舗システムデータベース(店舗DB)と、新データセンターに構築した店舗DBを、データレプリケーションツール「Oracle GoldenGate」で同期して、店舗からのアクセスを段階的に切り替える方式を採用した。
移行プロジェクトでは、「Oracle Exadata Database Machine X5-2」や最新サーバを採用した新データセンターの店舗DB基盤を構築。4月から、Oracle GoldenGateを使って新店舗DBと旧店舗DBの同期を開始し、6月に新データセンターへの移行、切り替えが完了した。新データセンターでは、店舗システムの処理性能が従来の3~4倍になり、店舗への大規模なマスターデータ配信に要する時間も従来の11時間から1.5時間に短縮されたという。
同社は、引き続きその他の社内システムの新データセンターへの移行を進め、2019年末までにデータセンターの統合を完了させる計画だ。