Adobe Systemsは米国時間1月10日、「Adobe Acrobat」のアップデートをリリースしたが、同アップデートには自動的にインストールされる「Google Chrome」用拡張機能も同梱されていた。これにより、ユーザーが次にChromeをロードする際に、訪問したウェブページの参照や操作のほか、ダウンロードの管理といった動作の許可を同拡張機能に与えることを求めるプロンプトが表示され、議論を呼んでいた。
Googleのセキュリティチーム「Project Zero」のリサーチャーであるTavis Ormandy氏は、該当アップデートに含まれている同拡張機能によってユーザーがXSS攻撃にさらされる危険性があることを発見した。
同氏はProject ZeroのIssueトラッカーに、「コンテンツセキュリティポリシー(CSP)によってスクリプトの直接実行を不可能にできるかもしれないが、web_accessible_resources以外のリソースをiframe化すれば、そこを軸足にしてコードの実行や、options.html経由でのプライバシーオプションの変更を容易にできるようになる」と記している。
「ウェブストアの統計情報から判断すると、この拡張機能は既に3000万台近くにインストールされている」(Ormandy氏)
これを受けてAdobeはこの拡張機能をアップデートした。なお、このバージョンでも情報は収集されるが、それらは製品の改善目的のみに使用されるという。Adobeは拡張機能を無効にする方法や、製品改善プログラムからオプトアウトする方法も案内している。
この拡張機能が自動的にインストールされるのは、「Windows」が稼働しているマシンだけだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。