ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)が、訪日外国人向けアプリで収集したデータの分析基盤をIBMのクラウドデータベースサービスによって構築したと日本IBMが2月3日に発表した。
採用したのは、ドキュメント型のNoSQLデータベース「IBM Cloudant」とIBM Bluemix上で稼働する分析に特化したインメモリ型の列指向データベース「IBM dashDB」の2種類。
Wi2では、同社が提供する「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」サービスのアプリから収集されるアクセスポイントの利用状況や訪日外国人の位置、時間、属性などの情報をCloudantにロードし、dashDBと自動連携させて分析する。
CloudantとdashDBの活用で、ログデータの構造化作業やジオコーディング処理の費用低減と時間短縮が実現した。また、クラウドストレージから必要なデータを抽出し、データ変換プログラムを作成することなく、瞬時に必要な分析を実施できるようにした。
Wi2は、KDDIグループの公衆Wi-Fi専門事業者。多くの企業・自治体へWi-Fiサービス提供し、日本国内20万カ所以上のWi-Fiスポットを運営している。同社は、訪日外国人向けにWi-Fiスポットへの無償自動接続機能などを提供する「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」サービスを展開。同サービスの専用アプリは、Android/iOS対応で、累計150万以上のダウンロードを記録しており、100社を超える日本の企業や自治体から商品、サービス、店舗・観光情報などのコンテンツを配信している。
アプリから収集されるデータは、膨大であると同時に、データの種類や粒度が異なっており、分析にはデータを改めて構造化する必要があった。また、これらのデータをもとにユーザーの行動を地図画面で表示するジオコーディング処理にも時間がかかり、コスト低減も課題となっていた。