米インディアナ州、フィッシャーズ市にIoTラボを建設へ

Alison DeNisco (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-03-01 08:30

 入居した企業がIoTソリューションを試行錯誤できる施設が米インディアナ州にまもなく完成する。それがIndiana IoT Lab-Fishersだ。


提供:iStockphoto/chombosan

 米インディアナ州のIoTエコシステムが大きく飛躍しようとしている。Indiana IoT Lab-Fishersは米国時間2月21日、広がりつつあるIoT分野のプロジェクトで企業が研究やイノベーション、コラボレーションを実施できる場を提供すると発表した。

 その際のプレスリリースによると同施設は、インディアナ州インディアナポリス市の北、車でおよそ30分のところに位置するフィッシャーズ市のテクノロジパーク内に建設されるという。その面積は2万4562平方フィート(約2282平方メートル)で、柔軟なスペース利用が実現される予定だ。同施設の目的は、IoTソリューションを構成する4つの主な要素、すなわちアイデアの創造とクラウドデータ、エッジソフトウェア、開発を企業が探求、改善していく支援を行うというものだ。

 フィッシャーズ市の市長であるScott Fadness氏は米TechRepublicに対して、「インターネットに接続されたデバイスは、フィットネスバンドから自律走行車に至るまで、われわれの日常生活のあちこちで活躍するようになっている。IoTは、われわれの現在の経済に対しては最大の脅威と言えるが、未来に対しては最大の機会をもたらすとも言える」と述べたうえで、「このIoTラボは、成功か失敗にかかわらず、安全に試行錯誤を重ねられる場所となる。インディアナ州のような場所では、ともすればテクノロジ分野の才能や、起業家といった人的側面に目が向けられがちだが、IoTラボによってその状況が変わってほしいと願っている」と述べている。

 IoTへの投資はビジネスとして理にかなっている。Gartnerの最近のレポートによると、インターネットに接続されるモノの数は2017年、世界で84億台に達するという。またGartnerは、IoTデバイスやサービスに対する支出が2017年には2兆ドル近くに達すると予測している。さらに、製造業や電力業界、ヘルスケア業界といった特定産業用のIoTデバイスなどが、インターネットに接続されたモノの成長をけん引する。そうしたデバイスは2017年に16億台に達しそうだという。

 地元の企業は、Indiana IoT Lab-Fishersに最低金額1000ドルという年会費を支払えば、同施設に恒久的に、あるいは一時的に居を構えることができる。また、IoTに関する疑問を持つ非会員企業も同施設を訪れ、メンバー企業から洞察やソリューションを得られるという。創立メンバーには、IoT企業であるClearObjectや、インディアナ大学が名を連ねている。

 Launch Fishersの発起人であり、Indiana IoT Lab-FishersのリーダーでもあるJohn Wechsler氏はプレスリリースで「イノベーターが協力し合えるような環境を整えれば、素晴らしい成果が生み出されることは分かっている。Indiana IoT Lab-Fishersは発見や技術革新のためのサンドボックスとなる」と述べるとともに、「これはインディアナ州で初めとなるIoTラボだが、ここだけで終わらないでほしいと願っている。インディアナ州には素晴らしい大学があり、優れた人材や起業家もいる。このような条件がそろっているため、Indiana IoT Labというコンセプトは、インディアナ州における新たな領域を開拓する可能性を秘めている」と述べている。

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