「次の3年間の成長源は、NFV(仮想アプライアンス型のネットワーク機器)とIoT(Internet of Things)。パートナーと新サービスを開発している。また、ネットワーク仮想化のVMware NSXは、ハイブリッドクラウドを推進する上で今後のキーポイント」。
ヴイエムウェアで代表取締役社長を務めるJon T Robertson氏
ヴイエムウェアは2月24日、都内で開いた記者会見で2016年の実績と2017年以降の注力ポイントを説明した。
まずグローバルの売上に占める日本の順位は、2014年が4位、2015年が3位、2016年は2位と3年連続で上昇した。代表取締役社長のJon T Robertson氏は、「日本が重要市場になり、国内企業の需要を製品に反映しやすくなった」と説明する。
2017の注力分野は3つあり、(1)デスクトップ仮想化やモバイル管理による高セキュリティのデジタルワークスペースの実現、(2)ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)で構築するプライベートクラウドのようなデータセンターの革新、(3)メガクラウドや国内クラウド事業者と協力して進めるパブリッククラウドとの統合--だ。
2017の注力分野は3つ
2016年の実績は、EUC分野を筆頭に新しい製品群の伸びが大きい
2016年で売上の伸び率が大きかった製品は、EUC(End User Computing)、NSX、vSAN、vCANなどの新しい製品群だ。サーバ仮想化ソフトのvSphereは売上の3割を占める主力製品だが、伸びは横ばいだった。
2016年で売上の伸び率が大きかったのは、EUC、NSX、vSAN、vCANなどの新しい製品群
同社の売上構成で最大の35%を占めるのは、EUC分野だ。同分野を構成する製品・サービスには、仮想デスクトップの「Horizon」や、Horizonを利用したDaaS(Desktop as a Service)ビジネス、モバイル管理の「AirWatch」などがある。
ネットワーク仮想化のNSXも伸びた。2016年第4四半期は50社がNSXを購入し、そのうち15社はリピーターだった。「リピートオーダーが入るというのは良い兆候」(Robertson氏)とみる。全体では200社超のユーザーがおり、用途はネットワークの分割が多いが、ネットワーク構成を自動化する事例も出始めている。
EUCとNSXに関連した事例として、自治体が庁内ネットワークとインターネットを分離する案件が目立つ。仮想化技術を利用してインターネットの分離を実現する34の都道府県のうち24の都道府県がVMware製品を選択し、導入が始まっている。
ストレージ仮想化のvSAN(Virtual SAN)は、まだ売上全体の5%にとどまるが、前年比で500%と急伸した。「HCIの流行に伴ってvSANも普及する」(Robertson氏)。vSANに加えて、SDDC(Software-Defined Data Center)を構成する要素が伸びている。vCAN(vCloud Air Network)と呼ぶサービスプロバイダ向けプログラムも伸びているという。