アイ・ティ・アール(ITR)が3月2日に発表した国内の統合基幹業務システム(ERP)パッケージ市場調査によると、パッケージ製品のクラウド対応が急拡大、2020年度にはクラウド利用企業数がオンプレミス利用企業を追い抜くという。ERP市場の国内48ベンダーを対象に2014~2015年度売上実績と2020年度までの売り上げを予測した。
国内ERP市場の2015年度の売上金額は、前年度比4.5%増の約739億円とやや低調。セキュリティやデジタルマーケティング、マイナンバー制度対応などに時間とIT予算を奪われたこともやや影響しているとしている。2016年度は大企業を中心に基幹システムの再構築が進みつつあることから、同6.5%増の伸びが予測される。
運用形態をクラウドとオンプレミスで比較すると、クラウドでの運用が急速に拡大する傾向にあることが分かった。同社は、クラウドの安定性やセキュリティに対する不安が軽減し、トータルコストの削減と導入の早期化が実現できるメリットが浸透しつつあるとしている。さらに、ERPはオンプレミスの代表的なシステムだったが、開発テスト環境だけでなく本番環境をクラウドで運用する形態が一般化してきているという。
運用形態別ERPパッケージ市場規模推移と予測(ITR提供)