Googleは米国時間5月11日、偽の「Google Docs」アプリを用いたフィッシング攻撃が繰り返されないよう、ウェブアプリの公開に向けた承認プロセスを見直すと発表した。この攻撃は、同社の認証システムに寄せられているユーザーの信頼を悪用するものだ。
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同社はウェブアプリの開発者に向け、新たな規則の導入とリスクアセスメントの追加によって、アプリの公開プロセスに「ある種の遅延」が発生する可能性があると警告している。
ユーザーデータを要求するアプリは今後、手作業でのレビュープロセスが必要となり、Googleのサインインサービス内でユーザーによる権限の承認が可能になるまで最長で7日間かかる可能性がある。
同社はブログで、開発者向けの新たな認証ガイドラインを解説するとともに、「レビューが完了するまで、ユーザーはデータ権限を承認することができない。また、(それまでは)権限の承諾ページではなく、エラーメッセージが表示される」と記している。
また、「アプリを公開するためのテストフェーズ中にレビューを要求することができる。われわれはこういったレビューを3〜7営業日で処理するよう努める。将来的には、登録フェーズ中にもレビュー要求を可能にするつもりだ」とも記している。
偽のGoogle Docsを用いたフィッシング攻撃は、GoogleのOAuthログインページを悪用していた。OAuthログインページは、サードパーティーのアプリが電子メールの受信や送信、削除、管理といった、「Gmail」のさまざまな権限へのアクセスを要求できるようにするものだ。
今回発見されたフィッシング攻撃では、攻撃者が偽のGoogle Docsアプリを作成し、受信者をだまして、Googleが用意している本物のログインページ経由で承認を得ていた。その後、同アプリは被害者が登録している連絡先に同じフィッシングメールを送信することで拡散するようになっていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。