UPDATE Appleが、さまざまな強化や改良を加えた次期macOSである「macOS High Sierra」を発表した。
米国時間6月5日、カリフォルニア州サンノゼで5日間にわたり開かれる同社の年次開発者会議「Worldwide Developers Conference」(WWDC)が開幕し、待望のmacOS最新版が発表された。
基調講演に登壇したAppleのソフトウェア担当責任者Craig Federighi氏は、最新版のHigh Sierraでは「Safari」ブラウザが改善され、「『Chrome』より80%高速な世界最速のデスクトップブラウザ」になったと述べた。
さらにHigh Sierraは、自動再生ブロック機能やインテリジェントな追跡防止機能といったセキュリティ強化策を施し、機械学習を単に広告をブロックするだけでなく、ブラウザの履歴を安全に保つ手段として利用している。
「ウェブで何かを購入すると、その後も購入履歴に行く先々までつけ回される気がすることはないだろうか。それは実際つけ回されているのだ。しかし、もう大丈夫。Safariにインテリジェントな追跡防止機能が搭載された」(Federighi氏)
High Sierraはそのほか、メール作成ウィンドウの分割表示機能、写真編集画面の新しい常駐サイドバー、すべての写真を時系列に表示する新たなビューを搭載するほか、顔写真から人を識別する機能も改良された。
「(写真の)人物に名前を付けると、その名前がすべてのデバイスで自動的に同期されるようになった」とFederighi氏は語った。
また、「Apple File System」(APFS)が新しいデフォルトとしてmacOSに追加された。これによって、迅速なファイルとディレクトリのクローニング機能、およびクラッシュ保護機構が搭載されるほか、暗号化がネイティブでサポートされる。さらに、「H.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)」と呼ばれるコーデックの採用により、動画の圧縮効率が最大40%向上するという。
最新のMacでは、高パフォーマンスグラフィックス用API「Metal」をアップグレードした「Metal 2」の採用により、ハードウェアアクセラレーション機能も追加される。
このMetal 2のおかげで、仮想現実(VR)もサポートされるようになった。
Appleが新しいOSの名前をHigh Sierraとしたのは、まったく新しいOSではなく「Sierra」の改善版を期待していたユーザーへの配慮だったのかもしれない。
High Sierraは米国時間6月5日から開発者への提供が開始されており、6月にパブリックベータ版が提供される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。