海外コメンタリー

「OS/2」を2017年によみがえらせた「ArcaOS 5.0 Blue Lion」 - (page 2)

James Sanders (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-06-15 06:30

 やや「Fedora」的な動きとして、Arca Noaeはパッケージマネージャ「rpm」の移植版を同梱しており、グラフィカルインターフェースでソフトウェアのインストールやアップデートを管理できる。またArcaOSには、プリンタ対応のための「CUPS」の移植バージョンと、「ALSA」をベースとするオーディオドライバ「Uniaud」が同梱されている。

現代におけるOS/2

 OS/2は、2017年に日常的に使うOSにはあまり適していない部分もあるかもしれないが、特にLinuxやWindowsから移植されたソフトウェアを使えば、ある程度の生産性は得られるだろう。「Workplace Shell」はIBMが最後にリリースして以降も十分に使えているし、安全なUSBの取り外しなどのArcaOSで追加された拡張機能によって、「Warp 4.52」よりもかなり快適になっている。

 OS/2は企業で広く利用されていた。多くの企業はLinuxやWindowsに移行してしまったが、依然としてある程度重要な業務にOS/2を使っている企業はかなりの数に上る。これらのユーザーにとって、ArcaOSには現実的なメリットがあり、アップグレードする価値のあるOSだ。インターネットに接続されたOS/2サーバは、同時代のDOSやWindowsを使ったシステムよりはかなりリスクが小さい(もっともその理由は、ある程度「隠蔽によるセキュリティ」の効果が働くためだが)。このため、現在DOSやWin16に依存しているユーザーも、ArcaOSに移行することでメリットを得られるかもしれない。メインで使っているWindowsやLinux、あるいはOS XのシステムからArcaOSに移行するのは簡単ではないが、そもそもそれは、このOSが目指すものではない。

入手手段

 ArcaOSはArca Noaeからダウンロードできる。個人用ライセンスは129ドル、商用ライセンスは229ドルだ。個人用ライセンスには、6カ月間のアップデートとテクニカルサポートが付属し、商用ライセンスには1年間のアップデートと優先的なテクニカルサポートが付属している。個人用ライセンスは、2017年8月15日までは99ドルに割引されている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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