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ガートナーアナリストに聞くハイパーコンバージド市場と日本の課題 - (page 2)

末岡洋子 2017年06月27日 07時30分

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ーー統合システムではユーザー企業、SIともに考え方を考える必要がある、と。

 その通りだ。SIにとっては、これまで3層構造で作っていたものからアーキテクチャが変わり、ベンダー競争の場やエコシステムも変わり、新たなテクノロジに変わり、求められるスキルも急速に変わってきている。ユーザーからすれば、導入スピード、調達や展開の仕方、ベンダー製品の評価の視点、運用手法も変わっていくと言える。

 だが、日本のユーザー企業に統合システムの導入状況について尋ねたところ、最新の調査では、「統合システムを導入済み」との回答が22%、「3年以内の導入を検討中」との回答が43%、「時期はわからないが検討中」が23%となった。また、同調査において、統合システムが重要かどうかを尋ねたところ、「重要である」という回答は51%であったが2015年の方が高かった(2015年時点では56%)。2017年の調査では、「特に重要とは思わない」が27%に増えている。


 通常、テクノロジが重要視されなくなるパターンは3つある。1つ目はコモディティ化、2つ目は時流ではなくなった場合、3つ目は混乱してわからなくなったとき。統合システムでは3つ目の混乱(混乱してわからなくなった)が進んでいる。さまざまな情報や製品の乱立、買収や撤退によるブランド統廃合、新規テクノロジの調査が追いつかず足が止まっている状況にあると見ている。


 一方で、統合システムはSIの収益に一時的に影響を与えるものであるため、国内では積極的に進めていないというベンダーも存在する。検証済み、チューニング済み、テンプレート化されており、アプライアンスで導入されることが多いため、ターンキー型ソリューションとして使えるのに、事前の要件チェックにこれまで同様に時間がかかったという話もあるようだ。

 これは、統合システムにおける重要なアーキテクチャやそこに盛り込まれている設計思想や採用テクノロジを見過ごし、単純なシステム更改先の「置き換え製品」としてしか見ていない場合に発生しがちである。

 日本のユーザー企業やSIはそのままあるものを使うというよりは、カスタマイズしがちであるが、標準のパッケージ、ワークロードが想定されてテンプレート化されているからこそ、DevOpsやインフラストラクチャ・アズ・ア・コードのアプローチが統合システムとの相乗効果を生む。

ーーイベント中、ProLiantサーバで最新世代の「Gen 10」も発表された。

 HPEは世界で最もセキュアな業界標準システムとうたっているが、この背景として、ハイブリッドITを実現するにあたってクラウド環境との接続性や連続性という観点でもセキュリティが必ず議論として上がってくるという点がある。パブリッククラウド側での実装についてはHPEは手を入れられないため、基本的にはオンプレのプライベートクラウド側で、チップレベルでセキュリティを高めておく必要がある、という着眼点がある。

 先行して、Oracleが2015年にSPARCチップで、セキュリティ・オン・シリコン(Sillicon Secured Memoryとハードウェア・アシスト暗号化機能)を出している。HPEもNonStopやハイエンドのUNIXを製品としてもともと持っているため、ハイエンドユーザーの要件やニーズを押さえ、シリコンレベルでのセキュリティに取り組むのは自然とも言える。

 (注「モード2」とは、ガートナーが提唱するバイモーダルITのアプローチで使われる言葉。バイモーダルITでは、企業のテクノロジ・ソリューションに対応し、ビジネス成果を達成するための2つの有効かつ別々のモード「モード1」と「モード2」を受け入れることにより、ステークホルダーのテクノロジへの増大するニーズに対処するためのアプローチが可能になる。

 「モード1」は、従来型のスタイルで連続的であり、安定性と信頼性が重視される。これは、予測可能な活動または繰り返し発生する活動に対処するために最適なモードである。

 「モード2」は、探査的およびノンリニア(非直線的)であり、俊敏性と柔軟性が重視される。これは、不確実性の管理に最適である。

 各モードでは、価値とリスクに対する考え方が異なり、それぞれに対応する適切なスキル、専門知識、ソーシング、組織、文化、実務慣行、ガバナンスが要求される。IT活動とビジネスソリューションへの投資もモードによって異なり、財務管理と投資リスクに対して新しいバイモーダルアプローチが必要になる。)


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