ノークリサーチは5月8日、「2017年 販社/SIerのクラウド拡販に向けた取り組み実態に関する調査」の結果を発表した。
これによると、年商500億円未満の販社やSIer55社に、SaaSの提案や販売の状況をたずねたところ、「現時点では判断できない」という回答が54.5%で、「既に提案/販売しており、収益に寄与している」という販社/SIerも16.4%、「既に提案/販売しているが、収益には寄与していない」の5.5%という結果が出た。
クラウド関連商材の提案/販売の状況(SaaS)
また、これらの調査対象企業に、「主要な顧客企業におけるSaaS活用状況と今後の予想」をたずねたところ、主要な顧客の23.6%が既にSaaSを活用しており、販社/SIerは、今後も活用の幅を広げると認識していることが分かった。
主要な顧客企業におけるクラウド活用状況と今後の予想(SaaS)
一方、ノークリサーチが年商500億円未満の中堅・中小企業(ユーザー企業)700社に対して、SaaSの活用状況をたずねた結果では、既にSaaSを利用中と回答したユーザー企業は12.6%に留まっている。また、同調査対象企業全体の今後のIT投資増減別に見たクラウド(SaaS)の活用割合は、SaaSの活用割合が18.7%に達する一方で、「ほとんど変化なし(現状維持)」と回答したユーザ企業では10.7%に留まっている。
今後のIT投資増減別に見たクラウド(SaaS)の活用割合(年商500億円未満全体)
これらの結果を踏まえ、ノークリサーチでは、SaaS活用に取り組むユーザー企業には 「クラウドも含めた新しいIT活用に積極的に取り組む企業層(IT投資は増加)」と「ITコスト削減の手段としてクラウドを選ぶ企業層(IT投資は減少)」が混在していることを指摘している。そのうえで、販社/SIerにとっての「主要な顧客」とは、IT投資が増加させるユーザー企業だけでなく、減少させようとする企業もその対象になるとしている。