調査

IoTは製造業関連の「監視・保全・メンテナンス・品質管理」が成長--矢野経調査

NO BUDGET

2017-08-05 07:00

 矢野経済研究所は、7月18日、国内のIoT型センサシステム市場の調査結果を発表した。これによると、2016年度のIoT型センサシステム市場は109.6 万システムで前年度比6.7%増加していることが分かった。

 同調査は、2017年3月~6月の期間で実施された。調査対象は、IT事業者/SIer、通信事業者(キャリア)、デバイスメーカー、公的研究機関、ユーザ企業など。

 この調査での「IoT型センサーシステム」とは、クラウドタイプのセンサネットワークシステムを指す。親機(中継器)と子機(センサノード)で構成される後付けタイプのセンサネットワークシステムや組込みタイプ(生産設備や重機・建機、自販機、車両などに予めセンサが組み込まれたタイプ)のセンサシステムも対象としている。通信回線は、無線(ワイヤレス)だけでなく、有線も利用されている。ただし、センサとデータロガーだけで構成されスタンドアロンで利用されている装置や、スマートフォン等のスマートデバイス、RFID(Radio FrequencyIdentification)システムは含まない。

 2016年度の同市場について、同研究所では、M2MM(Machine-to-Machine:機器間通信)を通信回線に利用したセンサシステムの導入が好調で、MVNO(Mobile Virtual NetworkOperator:仮想移動体通信事業者)の事業拡大によるアプリケーションの多様化も拡大要因としている。


国内IoT型センサシステム市場予測(折れ線は前年度比)

 また、分野別に見ると、セキュリティ関連が46.0%、自動車関連は 36.5%、エネルギー関連が16.1%と、3 分野で98.6%を占めることが分かった。


国内IoT型センーシステム分野別構成比(2016年度)

 2017年度以降について、同研究所では、今後も伸長が続き、2020年度に200万システムを突破し、2021年度には214万2000システムになると予測している。具体的には、作業者向け健康モニタリングなどヘルスケア関連や、全国の都市ガス各社がスマートガスメーターの導入を検討していることから、ガス業界でのセンサシステム導入への期待も大きいとしている。

 将来的に成長が期待できる分野としては、工場・製造関連が挙げられる。この分野では、設備・機器のエネルギー監視、保全・メンテナンス、品質管理といった業務でのIoT型センサシステムの活用が見込まれるという。中・長期的には、CBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)や予防保全、故障予知といったソリューションとしての普及が期待される。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]