「Trickbot」マルウェアが「WannaCry」の手法を模倣、悪質化

Danny Palmer (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部 2017年07月31日 11時31分

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 銀行を狙う、最も一般的な形態のトロイの木馬の1つを利用するハッカー集団が、世界中で猛威を振るったランサムウェア「WannaCry」「NotPetya」によるサイバー攻撃からさまざまな教訓を得て、自らのマルウェアにワーム増殖モジュールを搭載した。マルウェアをより効率的に拡散させることが狙いだ。


提供:iStock

 そのマルウェアとは、認証情報を盗み出す「Trickbot」のことだ。Trickbotは2016年から、金融機関を攻撃しており、先頃、英国と米国の多くの銀行を標的リストに追加した。Trickbotを使った攻撃は、件数こそ少ないものの、標的をピンポイントで狙う。同マルウェアは、国際的金融機関が送信したように偽装した電子メール経由で拡散し、その後、被害者を偽のログインページに誘導して、認証情報を盗む。

 現在、Trickbotの背後にいるハッカー集団は、同マルウェアの新バージョン(「1000029」として知られる)で新たな手法をテストしている。それを監視してきたFlashpointの研究チームによると、新バージョンは「Server Message Block」(SMB)経由で拡散することが可能だという。これは、WannaCryとNotPetyaが短時間で世界中に拡散する原因となったエクスプロイトを露骨に模倣するものだ。

 「EternalBlue」として知られる「Windows」のセキュリティ脆弱性は、米国の諜報機関が既に把握していたとされる多くの脆弱性の1つで、ハッカー集団のShadow Brokersによってリークされるまで、監視活動に利用されていた。このエクスプロイトは、WindowsのSMBネットワーキングプロトコルの特定のバージョンを悪用し、ワームのような機能を使って、感染したネットワーク上で拡散した。

 SMBを利用するTrickbotの新バージョンは、「NetServerEnum Windows API」経由でドメインをスキャンして、サーバのリストを入手することができる。さらに、「Lightweight Directory Access Protocol」(LDAP)リストを使って、ネットワーク上のコンピュータの数を特定することも可能だ。

 このマルウェアは、プロセス間通信を利用して増殖し、最終的なペイロードとして「PowerShell」スクリプトを実行することもできる。このスクリプトは、Trickbotの別のバージョン(「setup.exe」に偽装されている)を共有ドライブにダウンロードする。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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