IBM「World Community Grid」で遺伝子マッピングプロジェクトを支援

Stephanie Condon (ZDNet.com) 翻訳校正: 佐藤卓 長谷睦 (ガリレオ) 2017年08月24日 15時24分

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 IBMは米国時間8月23日、米国の研究者らが同社の「World Community Grid」を利用して、ヒトの微生物叢(マイクロバイオーム)に存在する膨大な数の細菌遺伝子をマッピングするプロジェクトを開始したと発表した。World Community Gridは、クラウドソーシングを活用し、無償で膨大な演算能力を提供するIBMのプラットフォームだ。

 「Microbiome Immunity Project」と呼ばれるこの新しいプロジェクトは、1型糖尿病、クローン病、潰瘍性大腸炎など、増加傾向にある自己免疫疾患に細菌がどのように作用しているのかを詳しく解き明かすことが目的だ。プロジェクトを率いるのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学が設立したブロード研究所、マサチューセッツ総合病院、カリフォルニア大学サンディエゴ校、サイモンズ財団が設立したフラットアイアン研究所に属する研究者らだ。

 World Community Gridは、環境や健康に関する大規模な研究プロジェクト向けに設立されたプラットフォームで、世界各国に散らばる73万人以上のボランティアが所有するコンピュータや「Android」デバイスを活用している。ボランティアが自分のデバイスにアプリをダウンロードすると、デバイスがフルに使われていない時間帯に、このアプリが自動で仮想実験を行う仕組みだ。

 Microbiome Immunity Projectでは、このような仮想実験で得られたデータを研究チームが分析し、その結果が公開される。プロジェクトでは、ヒトの微生物叢のすべての細菌遺伝子をマッピングすることを目指しているが、まずは消化器系を対象にするという。

 「ボランティアの力を活用することで、われわれの取り組みの規模をこれまでの数千倍に拡大できる」と、カリフォルニア大学サンディエゴ校のRob Knight教授は声明の中で述べている。「今回初めて、個別の構造を1つずつ断片的に解明するのでなく、微生物叢全体を対象に、その生物学的構造を包括的に調査することが可能になる」とKnight氏は今回のプロジェクトの意義を解説した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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