SAPジャパン、デジタル変革支援--デザイン思考やプロトタイプ開発を活用

藤本和彦 (編集部)

2017-10-18 07:00

 SAPジャパンは10月17日、企業のデジタル変革を支援するサービス「SAP Leonardo Innovation Services」の提供を開始した。モノのインターネット(IoT)や機械学習(マシンラーニング)といった最新技術を活用したシステム設計やプロトタイプ開発、効果検証などを支援する。

 「SAP Leonardo」は、モノのインターネット(IoT)、機械学習、ビッグデータ、アナリティクス、ブロックチェーン、データインテリジェンスなどを包含したクラウドベースのアプリケーション群。同社では“デジタルイノベーションシステム”と呼んでいる。デザインシンキングやイノベーションサービス、共同イノべーションプログラム、コンサルティングなども“イノベーション支援サービス”としてあわせて提供する。

 代表取締役社長の福田譲氏は、SAP Leonardoについて「企業のデジタル変革を支える製品とサービスを包括するブランド」と説明する。

SAPジャパン 代表取締役社長の福田譲氏
SAPジャパン 代表取締役社長の福田譲氏

 SAP Leonardo Innovation Servicesは、イノベーション支援サービスに分類される。デザイン思考のアプローチを取り入れ、同社が保有する専門知識を提供することで、デジタル変革を推進にする新しい機能やビジネスモデルの早期導入を支援する。

 「express」「open innovation」「enterprise」という3種類のエディションを用意する。

 express editonは、業種別、業務部門別に事前定義されたIoTシステムの早期導入を可能にする。消費財のライブ資産追跡や、製造業における部品のオンデマンド3Dプリントといった活用例が挙げられている。課題を発見してシステム設計、プロトタイプ開発するまでに2週間、システムをデリバリするまでに6週間を目安としており、スピードを重視するケースに適している。

 open innovation editionとenterprise editionは、同社でもこれまでに経験がないような領域において、企業固有のビジネス課題を共同で解決していく。課題の発見やシステムの設計、プロトタイプ開発に2~6週間、デリバリまでに4~15週間としている。一連のプロセスには、全てデザイン思考が取り入れられ、ユーザー中心のアプローチになっているとしている。

 SAPジャパンでは、既存ビジネスを支える統合基幹業務システム(ERP)「SAP S/4 HANA」と、デジタルビジネスを支えるSAP Leonardoを両輪とし、両方の領域を支えるソフトウェアとサービスを提供することで、企業の成長に向けての仕組みを構築していくとしている。

ビジネスの両輪となるSAP S/4 HANAとSAP Leonardo
ビジネスの両輪となるSAP S/4 HANAとSAP Leonardo

 「物事を因数分解して、価値ある部分を汎用化、資源化し、誰でも再現できるようにするのがSAPのDNA。その最たるものがERPだ」(福田氏)とし、SAP Leonardoでも同様の取り組みを進めていくとアピールした。

 また、今回のサービス提供にあわせて、IoTやアナリティクスなどの最新技術を活用したデジタルビジネスを体験できる「カスタマー・エクスペリエンス・センター(CxC)」のデモコンテンツを拡充している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]