「ハイブリッドITをシンプルに」ーーHewlett Packard Enterprise(HPE)が分社化以来提唱してきたビジョンだ。11月30日までスペイン・マドリードで開催した「HPE Discover Madrid 2017」で、同社はパブリッククラウド、プライベートクラウドなどのリソースを一元管理できる「HPE OneSphere」を発表し、実現に一歩近付いた。
「HPE Synergy」は1年で1000社を獲得
ハイブリッドITを担当するシニアバイスプレジデント兼データセンターインフラグループのゼネラルマネジャー、Alain Andreoli氏は28日の基調講演で、ハイブリッドITをシンプルにするにあたって、次の3つのアプローチが必要と述べる。
1)インフラをスマートに
2)マルチクラウド環境のオーケストレーション
3)成果(”アウトカム”)としてITを消費する
1)では、すでに「HPE OneView」を利用して自社インフラのオーケストレーションや自動化を実現できる。ハードウェア側では、「ProLiant」「Integlity」「Apollo」などのサーバ製品ライン、フラッシュストレージの「3PAR」「Nimble Storage」などを紹介しながら、「コンピュートで1位、ストレージでも1位、SimpliVity買収によりハイパーコンバージドで3位」と胸を張る。
ここ最近の製品アップデートとしては、サーバでは「AMDがデータセンターに戻ってきた」とするAMD EPYCプロセッサを搭載した「HPE ProLiant DL385 Gen10」、ミッションクリティカル向けハイエンドの「HPE Superdome Flex」などを紹介。ストレージでは今年買収したハイパーコンバージドのSimpliVityをベースに「HPE ProLiant DL380」を搭載した「HPE SimpliVity Gen10」などに触れた。コンポーザブルの「HPE Synergy」では、「フルプロダクションになって1年未満で1000社の顧客を獲得した」と胸を張った。
シニアバイスプレジデント兼データセンターインフラグループ・ゼネラルマネジャー、Alain Andreoli氏
HPEのハイブリッド戦略はインフラ、マルチクラウドコントロール、コンポーザブル、オーケストレーションと自動化、アズ・ア・サービスで構成される。