デジタル変革を推進する企業が増えており、2020年には人工知能(AI)、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)、モノのインターネット(IoT)などの先端技術に対応できる職種の需要が高まると考えられる。
就職情報サイトIndeedの製品担当シニアバイスプレジデントRaj Mukherjee氏は、「技術系の人材に対する需要は、ほかの業界とは比較にならないペースで高まるだろう」と述べている。現在需要が大きい職種のいくつか(例えばフルスタック開発者など)は、今後も需要が高まっていくと予想されるが、その一方で、新たに存在感を増す職種もいくつかあると同氏は言う。
CompTIAのチーフテクノロジエバンジェリストJames Stanger氏によれば、今後はほぼすべての職種に、技術的なスキルとビジネススキルの両方が要求されるようになるという。
「企業のデジタル変革は長い間、話題になってきた」とStanger氏は述べている。「多くの既存の職種は、今後まったく異なる形で再定義されるか、場合によってはなくなってしまうだろう。ITに関するスキルセットは今後も重視されると考えられるが、ビジネスと結びつけられる必要がある。こういった問題は、たこつぼの中に隔離されていた期間が長すぎた」
この記事では、2020年に需要が高まる10のIT関連職種を紹介する。
1.コンピュータビジョンエンジニア
Indeedのデータによれば、2013年以降、コンピュータビジョンエンジニアに対する需要は着実に高まっている。コンピュータビジョンエンジニアの仕事は、コンピュータビジョンと、オブジェクトを検知、分類、追跡するための機械学習アルゴリズムおよびアナリティクスの構築・改善を行うことだ。
IDCの予想では、2017年に114億ドルだったARとVRに対する投資は、2021年には2150億ドル近くにまで増えるという。自動運転車が台頭していることもあり、「将来大きな成長が起こり、コンピュータビジョンエンジニアに対する需要に直接的に結びつく」とMukherjee氏は述べている。
2.機械学習エンジニア
機械学習エンジニアは、AIによって知識を学習して適用する能力を持つデバイスやシステムを開発する、高度な技術力を備えたプログラマーだ。機械学習エンジニアは高度なプログラミング能力を持っており、システムをトレーニングするための複雑なデータセットやアルゴリズムを扱う。
「今後はあらゆる企業がAI企業になる。そうなれば、AIはあらゆるテクノロジ部門でもっとも投資額が大きい分野の1つになるだろう」とMukherjee氏は述べている。「機械学習エンジニアに対する需要は非常に高まる」
3.ネットワークアナリスト
IoTが職場に入ってくるに従って、ネットワークに対する投資も大きくなる。Forresterの研究者Nate Meneer氏は、「より多くのモノを効率的に接続していく必要があり、それがネットワークアナリストの需要を高める主な要因になる」と述べている。