IntelはCES 2018で、49キュービット(量子ビット)の量子チップを開発したと発表した。同社の最高経営責任者(CEO)Brian Krzanich氏は基調講演で、このチップは量子コンピューティングにおける大きなブレークスルーであり、「量子超越性」への次のステップだと語った。同チップに関する今後の計画については明らかにされていない。
またKrzanich氏は、2017年9月に発表された、脳の仕組みを模倣したニューロモーフィックコンピューティング用の試験的なチップである「Loihi」についても言及した。
Loihiは正常に機能しており、数週間で簡単なオブジェクトの認識を行えるようになっているという。また同氏は、2017年前半にはLoihiを大学や研究機関に提供し、応用事例を模索する取り組みを進めていく考えを示した。
Intelの基調講演は、まず同社のプロセッサに存在する脆弱性「Meltdown」と「Specter」の話題から始まった。Krzanich氏は、これらの問題の調査と解決に非常に多くのテクノロジ企業が協力して取り組んでいることは「極めて異例」のことであるとした上で、「現時点では、顧客の情報が漏えいしたという情報は受け取っていない」と述べた。
さらに同氏は「一部のワークロードはほかのものに比べ大きな影響を受ける可能性があると考えており、長期的にそれらのワークロードに対する影響を最小限に抑えるため、今後も業界と協力していく」と述べた。
また同氏は、2018年冬季平昌オリンピックにおけるIntelの役割についても触れ、同社の「Intel True VR」を利用して、30以上の五輪イベントにわたる史上最大のVR体験をライブとオンデマンドの両方で提供することを明らかにした。
このソリューションでは、競技場の周囲や内部に複数の360度カメラを配置することによってVRを実現する。それらのカメラの映像をソフトウェアでつなぎ合わせることで、視聴者がフィールドを見回したり、カメラの位置を自由に選んでイベントを視聴したりすることが可能になるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。