Windows 10の法人利用を9割に--日本MS、Windows 7/Office 2010移行支援

藤本和彦 (編集部)

2018-01-23 15:43

 日本マイクロソフトは1月23日、「Windows 7」と「Office 2010」のサポート終了に伴う移行支援について発表した。「Windows 10」「Office 365」などへの早期移行を呼び掛けた。

 Windows 7(「Windows Server 2008」も合わせて)は2020年1月14日、Office 2010は同年10月13日にそれぞれ延長サポートが終了する。以後は、セキュリティ更新プログラムや有償サポートを含む全てのサポートが受けられなくなる。サポート終了後のソフトウェアを使い続けることで、マルウェア感染やフィッシング詐欺、情報漏えいなどのリスクが高まる。

日本マイクロソフトの平野拓也社長
日本マイクロソフトの平野拓也社長

 同社はサポート終了への取り組みとして、(1)法人向けサポート終了相談窓口の開設、(2)Windows 7&Office 2010サポート終了移行支援サイトの開設、(3)法人市場に対する告知の強化――を展開していく。

 「Windows XP」のサポート終了時には、時間がかかって移行が間に合わないなどのさまざまなフィードバックを受けた。その反省を踏まえ、今回はより早い段階からシステムの切り替えを訴え掛けていくとしている。

 移行や導入に向けたイベント/セミナーを全国展開し、2018年内に1000回の開催を計画する。既に30社超のパートナー企業と移行支援で協業。富士ソフトがWindows 10/Office 365の移行支援センターを開設したほか、富士通がWindows 10/Microsoft 365の移行支援窓口を開設、東芝クライアントソリューションはWindows 10移行関連サービスを開始している。ダイワボウ情報システムもMicrosoft 365の販売支援相談窓口を開設した。

 Microsoft 365は、Windows 10とOffice 365に、セキュリティスイート「Enterprise Mobility+Security(EMS)」を組み合わせた月額課金制のサービス。WindowsとOfficeアプリ、セキュリティ対策をシステム運用することなく導入できる。

日本マイクロソフトの高橋美波氏
日本マイクロソフトの高橋美波氏

 日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野拓也氏によると、中小企業におけるWindows 7サポート終了時期の認知は49%(楽天リサーチ)。これをできるだけ早い段階で認知度を100%にしたいと説明する。

 その施策の一つとして、中小企業の経営支援サービスを提供する「Jマッチ」と協力し、ITの最新化に関する公的支援制度の情報提供やOffice 365活用研修の提供を開始する。

 「ITの最新化を推進するには付加価値を訴求することが必要」と日本マイクロソフト 執行役員 常務 パートナー事業本部長 高橋美波氏は指摘する。新しい技術などを活用することで新たなサービスやビジネスモデルを実現する動きも進んでいる。

 東京海上日動火災保険は、Microsoft 365をグループ内で導入し働き方改革を実践。自社にテレワークを導入した経験を生かした形で「テレワーク保険」を商品化している。

 「2020年1月のWindows 7のサポート終了時には、Windows 10の使用率を法人で9割まで持っていきたい。また、中小企業におけるOffice 365もしくはMicrosoft 365の活用を2020年には現在の10倍まで拡大したい」(平野氏)

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