製薬大手のRocheが米国時間2月16日、Flatiron Healthを19億ドル(約2000億円)で買収することを発表した。
Rocheは、この買収が「業界全体の発展と、がん患者に対する画期的な新薬の提供を促進するだろう」と述べた。
Rocheは声明の中で、Flatiron Healthは独立した法人組織として運営を続けるが、買収によって両社は連携し「ヘルスケアデータとアナリティクスという進展分野を通して、がん患者の生活を改善」していくと述べた。
買収条件に基づき、Rocheは当局の承認を得た後、19億ドルでFlatironの全発行済み株式を取得する予定。Rocheはすでに12.6%の株式を保有している。
ニューヨーク市を拠点にヘルスケア関連技術に取り組むFlatiron Healthは、腫瘍に特化した電子健康記録(EHR)システムを開発している。またFlatironは、多数のがんクリニックや6つの主要研究機関、腫瘍薬物治療を扱う各種企業と提携している。
Flatironは、「研究者と医療従事者があらゆる患者の経験から学習」できるようにするための情報交換プラットフォームを開発している。
Rocheの最高経営責任者(CEO)Daniel O'Day氏は、「腫瘍に関する優れた技術企業であるFlatiron Healthは、Rocheのみならず業界全体の腫瘍の研究開発活動に必要な技術とデータアナリティクスインフラを提供する体制が最も整っている」と述べた。
また両社は、Flatironが独立した事業運営を継続し、今回の合意が患者情報のセキュリティや保護に影響しないとしている。
さらに両社は、この買収が「腫瘍の研究開発用の新しい業界基準を設けるための実証例の活用を前進させる」と述べている。
Flatiron Healthは、Nat Turner氏とZach Weinberg氏が2012年に創業した。両氏は「どの患者の体験も、それぞれにがんの仕組みに関する何らかの新しい情報をわれわれにもたらし、より有効な治療を迅速に見出すのに役立つ可能性がある」と述べている。
Flatiron Healthの共同創業者でCEOのTurner氏は、この買収は「まだ完結していない物語の中の大きな節目」になるとブログ記事で述べた。
両氏は創業時、技術と医療を結びつけようと考えたが、買収によってそのミッションが揺るぐことはなく、「独立した運営を続けながらさらに優れたリソースにアクセスすることで、Flatironはミッションの達成を加速できる」ことになると述べている。
買収は2018年上半期に完了する見通しだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。