NEC3月5日、さまざまな小売商品を画像認識する「多種物体認識技術」を開発したと発表した。生鮮品や日配品からパッケージ品まで、小売店で決済時に必要な商品読み取りを大幅に効率化する技術といい、バーコードやRFIDを読み込ませなくてもレジ台に商品を置くだけの簡易な操作で商品を一括して認識できるという。
商品読み取り例
新技術は、特性の異なるディープラーニング技術と特徴点マッチング技術を融合させることで、生鮮品のように個体ごとに外観の違いが大きい自然物から、パッケージ品のように酷似したデザインが大量にある工業製品まで、多種多様な小売商品を高精度に認識する。また、これら多数の商品を雑然と置いても、一括して個々の商品を認識することができる。
同技術の画像認識は、青果物などの生鮮品のように個体ごとに外観の違いが大きい自然物に対しては、個体ごとの違いを吸収して判別できるディープラーニング技術が適用される。一方、飲料・菓子・カップ麺・雑貨などのパッケージ品のように酷似したデザインが大量にある工業製品に対しては、デザイン配置の違いを詳細に判別できる特徴点マッチング技術が適用される。さらに、弁当・デリカなどの日配品のように自然物(具材)と工業製品(商品ラベル)の特性を併せ持つ商品に対しては、両方の技術が適用され、その結果を統合して認識する。
また、多数の商品が雑然と混在した複雑環境での認識については、個々の商品単体を撮影しておくだけで、複雑環境の画像を大量に自動で生成し、その画像を機械学習することで、複雑環境での認識の頑健性を向上させた。これにより、大量の学習画像データの撮影・用意をすることなく、少ない撮影画像データからでも認識精度を向上させることができたという。