McLaren F1チーム(マクラーレン)とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、2018シーズンのFormula 1(F1)グランプリ全21戦において、各サーキットと英国ロンドン郊外のウォーキングにあるマクラーレン・テクノロジー・センターを結ぶネットワーク(トラックサイドネットワーク)にNTT ComのSDx技術を導入すると発表した。
F1レースでは、サーキットの気象情報やレース車両に搭載した200個以上のセンサ、カメラが取得する「エンジン回転数」「ブレーキ圧」「燃料の残量」「タイヤの空気圧」「走行状態の映像」などの1レースあたり約100GBにも及ぶデータをピットガレージ(現場のエンジニア)と本社の技術チームがリアルタイムのレース分析に利用している。
今回導入した主な技術は、SD-WANネットワークと、WANアクセラレータや統合脅威管理(UTM)機能を迅速に提供できるNFV(Network Functions Virtualization)基盤。
既存のVPN回線と、インターネット回線などの各サーキットでチームごとに敷設可能な回線(補完回線)を柔軟に組み合わせることができるSD-WANにより、帯域拡張と優先順位に応じた効率的なデータ伝送が可能になった。
さらに、これまでVPN回線経由で接続していたピットガレージのインターネット回線やパドックのゲスト用Wi-Fi回線などを、補完回線経由に変更することで、重要なデータをVPN回線で優先的に送信できるようになる。4K/8Kなどの高解像度・高精細な大容量動画データも、それらを補完回線に振り分けることで、VPN回線がひっ迫し、重要データのパケットロスを回避できる。
また、欧米亜の世界6カ国に構築したNFV基盤のうち、各サーキットから一番近いロケーションでWANアクセラレータ機能や、UTM・Webプロキシ機能などを提供する。これにより、SD-WAN上のセキュア・迅速な通信を実現し、世界各地で年間21戦開催されるレース期間限定のネットワーク環境構築・撤去の稼働を簡略化でき、時間とコストを削減する。
マクラーレンを支えるNTT ComのSD-WAN/NFV基盤/SD-Exchange
複数のNFV基盤は、これらを制御する「SD-Exchange」に直結しており、各サーキットの近隣から、英国のマクラーレンの本拠地の近くまで、NTT Comが保有するグローバルな高帯域インフラを経由するため、通常のインターネット接続時と比較し、大容量データを瞬時に伝送できる。
また、多種多様なデータトラフィックの利用状況を可視化するダッシュボード画面も提供され、ネットワークの空き状況や必要なデータ帯域などを一目で把握できる。