NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は1月15日、「AI翻訳プラットフォームソリューション」(以下、AI翻訳PF)の3月1日から提供すると発表した。
AI翻訳PFは、簡単な操作でビジネス文書などを超高精度で翻訳することが可能だという。インターネットの無料翻訳サービスなどでは正しく訳せない社内用語や専門用語についても、辞書登録やチューニングによって対応する。Microsoft Office(Word、Excel、PowerPoint)やPDF形式のドキュメントファイルを、そのままのレイアウトで瞬時に翻訳し、同じファイル形式で出力できる。ブラウザ上からドラッグ&ドロップによる翻訳が可能だ。
また、辞書登録以外のチューニングでは、ユーザーから学習用データとなる文例を提供し、翻訳エンジンに特有の用語や言い回しを事前に学習させることで、個々のユーザーに合わせたチューニングを行える。
サービスイメージ
同ソリューションに採用されている翻訳エンジン「COTOHA Translator」は、NTTグループ企業のみらい翻訳が情報通信研究機構と共同開発したもの。最新のニューラルマシントランスレーション(NMT)技術と、NTTグループの日本語解析技術を利用している。NMTは脳の神経回路を模したニューラルネットワークを用いた機械翻訳技術で、膨大な対訳データを機械学習することで、高精度な翻訳を実現する。
NTT Comは、事前に精度評価実験を実施。日本語と英語のサンプル文章を400字詰め原稿用紙約25枚分用意し、日本語から英語、および英語から日本語の翻訳をするというものだ。その結果、5段階評価で平均4.0を達成し、汎用的なインターネット翻訳(同3.7)を約14%上回った。人間による翻訳との比較でも、TOEIC900点レベルの被験者と同等の平均点に達し、人間が平均7時間を要したものを約2分以内で訳出している。
対応言語は日本語と英語だが、今後は中国語など他言語対応も予定。利用料金は、1ID当たり月額8000円から(最低ID数は10)。100ID以上での利用は見積りで、チューニングも別途料金がかかる。