Wi-Fiインフラ管理にAIを活用する新サービスを展開--ネットワンパートナーズとMist

渡邉利和 2018年03月26日 10時00分

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 ネットワンパートナーズは3月22日、同社が2017年5月にディストリビューター契約を締結して国内で販売する米Mist Systemsの新サービス「AI駆動型仮想ネットワークアシスタント(VNA)」を発表した。Mistの共同創業者/社長兼最高経営責任者(CEO)のSujai Hajela氏が製品戦略を説明した。


Mist Systems共同創業者/社長兼CEOのSujai Hajela氏

 Hajela氏は、「The New Wireless Network “AI is in the AIR”」と題する講演で、まず現在一般的に利用されている無線LAN(Wi-Fi)インフラが“古いアーキテクチャ”のまま取り残されているという点を指摘した。

 Wi-Fiインフラは、同氏が“第1世代”と位置付けるスタンドアロン環境から、米Meraki(現Cisco Meraki)が新アーキテクチャとして実現したコントローラベースの“第2世代”アーキテクチャへと進化したが、それも約10年前のこと。現在までの10年間でスマートフォンやクラウド環境が急速な進化を遂げた一方で、無線LANは「モダンなアーキテクチャの不在」(Hajela氏)という状況のまま使われ続けているのだという。

 Mistの創立は2014年だが、同氏を含む中核メンバーの多くがCisco Systemsの出身者で、無線LANのさまざまな規格制定や技術/製品開発の経験を有している。そのノウハウや知見を踏まえて同社が取り組むのが“AI in the AIR”というコンセプトであり、人工知能(AI)技術をワイヤレスネットワークの分野で活用していく、というものだ。

 同社が中核的なサービスとしてクラウド上で提供する「Marvis AI」は、同社製のアクセスポイントで収集されるマネージメント&コントロールパケットを解析することで無線LANネットワークの稼働状況を正確に把握し、問題発生時点で迅速に対応することが可能になる。

 例えば、障害発生時には状況を把握するための手がかりとしてパケットキャプチャが有効だが、人間による監視では障害が発生してしばらく経ってからでないと異常に気付くことができず、それ故に障害発生時点でのパケットをキャプチャするのは不可能だが、Marvisによる監視ではそれが可能になり、初期段階で適切な対応を取れることで影響範囲を極小化できる。

 アクセスポイントでの監視がベースになっていることから、接続しているユーザー単位での詳細なサービスレベルの把握もできるため、エンタープライズでのITインフラの運用には欠かせないサービスレベルの把握や制御、障害発生時の迅速な根本原因の解析が可能。それをもって同社では、新世代の無線LANインフラと位置付けている。また、同社の強みとなっているBLE(Bluetooth Low Energy)を活用した仮想ビーコン技術では、屋内で1~3メートルの精度での位置情報取得が可能になることから、従来の物理的なビーコン端末を用いるよりも低コストかつ迅速なサービス提供が可能になるとしている。


AI駆動型仮想ネットワークアシスタント

 AI駆動型仮想ネットワークアシスタントは、Mistが2018年1月に米国で発表し、自然言語での問い合わせを受け付け、「Wi-Fiの問題を簡単に特定し、その問題が及ぼす影響を把握し、無線/有線/モバイル端末/IoTドメイン間のイベントを相関させ、異常時に自動警告」するというもの。具体的な例として、「Bobさんのコンピュータに異常があるのはなぜですか?」「午前7時から午前9時までに異常がありましたか?」といった質問を入力すると、適切な回答が得られるのだという。残念ながら現時点では日本語には対応していないが、英語圏ではヘルプデスクなどで採用することで業務の大幅な効率化が実現するものと想定される。

Mistが解説するモバイルネットワークとWi-Fiネットワークの過程の違い(説明会資料より)

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