熊本市が庁内・教育現場にMicrosoft 365を全面採用--約1万2000人規模が利用 - (page 2)

阿久津良和

2018-04-04 07:00

 同市は2017年から改革を専門的に担う「改革プロジェクト推進課」を設けており、オフィスなど物理的な改革や窓口業務の改革を実施してきた。それまで数時間も待たされる窓口業務に対しても書類を記述するテーブル配置や方法を改善し、ウェブ上で具体的な待ち時間を示すことで、40分という大幅な短縮を実現した。

 導入効果について熊本市は、書類管理問題を例に次のように語る。「非クラウド環境で書類が各所に散乱し、検索に要する時間を市職員に対して調査した。仮に1日10分間短縮できれば、年間6億円の経費削減となる。働き方を(MyAnalyticsで)可視化し、仕事の質を高めていけるかが本取り組みのポイント」(大西氏)だ。

 さらに全136校におよぶ熊本市立小中高等学校の教職員、約4500人の働き方改革を実現するため、Microsoft 365 EducationおよびWindows 10デバイスの導入も合わせて発表した。熊本市教育委員会では、「学校改革! 教員の時間創造プログラム」の協議を通じて教職員の働き方改革の実現を目指している。「例えば通知表を家に持ち帰ると、USBメモリの紛失など個人情報の漏えいなど多くの問題が発生するが、タブレットやクラウドを活用すれば仕事はしやすくなる」(大西氏)のは自明の理だ。

 熊本市教育委員会は、文書のデジタル化や情報共有による印刷文書とコスト削減、授業コンテンツの共有、テレワーク運用などによる校務の効率化を通じて教育現場で顕在化する教職員の長時間労働改善を目指す。災害発生時における基盤強化については、日本マイクロソフトとNPOが連携し、地域情報ネットワーク「みんなの縁側」を設立。日本マイクロソフトが持つ専門知識を共有し、熊本市やNPO、企業など関係機関による情報共有と官民連携を強化する。

平野氏と大西氏に加えて、熊本市イメージキャラクターの「ひごまる」によるフォトセッション
平野氏と大西氏に加えて、熊本市イメージキャラクターの「ひごまる」によるフォトセッション

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