米ServiceNowは5月9日、米国ラスベガスで開催した年次イベント「Knowledge 18」で、DevOpsへの参入を発表した。これを明らかにした最高製品責任者のCJ Desai氏は、2018年後半に公開予定の次期版で、人工知能(AI)を使った利便性や自動化機能も加わる予定だとし、基調講演で同社のモットーである”将来の仕事の姿を作る”を顧客に見せた。
社内で使うDevOpsを製品化した「Enterprise DevOps」
ITサービス管理(ITSM)でスタートした同社は、単一のプラットフォーム「Now Platform」を土台に、セキュリティ、顧客サービス、人事などに拡大しているが、DevOpsで再び新しい領域に広げることになる。
ServiceNow DevOps担当シニアバイスプレジデントのPat Casey氏
ServiceNowのDevOpsは、開発(Development)とオペレーション(Operations)を同じチームで行うソフトウェア開発手法を、Now Platform上でパッケージ化するものとなる。ソフトウェアやサービスを迅速に開発することは全ての企業にとって重要になっており、ServiceNowも例外ではない。実際、今回発表した「Enterprise DevOps」は、ServiceNowのソフトウェア開発チームが構築したDevOpsから生まれたものだ。
DevOps担当シニアバイスプレジデントのPat Casey氏は、DevOpsの共通の定義として「スピード」および「プラン、開発、テスト、実装、オペレーションのサイクルを1チームで行うこと」の2つが、これまでのウォーターフォール型との重要な違いだとした。一方でDevOps関連のツールは溢れ、「少なくとも500種類以上はある。分断化されており、DevOpsを始めようとすると、まずはツール選びから始めなければならない」とCasey氏。ServiceNowでは、Eclipse、GitHub、Jenkins、Puppetなどのツールを利用しているという。
Enterprise DevOpsの特徴は、スピードだけでなく、管理、そして、可視化の3つのバランスをとる点だ。「ServiceNowを企業のDevOps実行のプラットフォームとして選んでもらいたい」とCasey氏はアピールする。
Enterprise DevOpsの正式提供は、2019年第1四半期にリリース予定の「Madrid」を待つ必要があるが、その前に公開される「London」(2018年第3四半期公開予定)では、「Agile Development」でのAgile Planningの提供、Slack、Microsoft Teams(後述)といった開発者に人気のコラボツール統合などの機能が加わる予定だ。