Intelは米国時間5月30日、データセンター向けの「Optane DC」不揮発性メモリモジュールを発表した。同社はこれを、まったく新たなタイプのメモリおよびストレージテクノロジ製品だとしている。
Optane DCはDIMM型の不揮発性メモリモジュールであり、DRAMではなくIntelの「3D XPoint」テクノロジに基づいている。今回発表されたこの製品は、同じ3D XPointテクノロジを採用しており、既に一般提供が開始されている「Optane SSD」とは異なるものだ。

提供:Intel
IntelはOptane DC不揮発性メモリを、データセンターにおけるインメモリデータベースの高速化を支援する、DRAMとストレージの中間層に位置付けられる製品だとしている。詰まるところ、より多くのワークロードをプロセッサの近くに配置することでレイテンシを削減しようという考えだ。
Intelのバイスプレジデント兼Xeon製品担当ゼネラルマネージャーであるLisa Spelman氏によると、この新型メモリモジュールは2018年中に一部の顧客に向けて出荷され、2019年に一般提供が開始されるという。
同製品のメモリ容量は、128Gバイトと256Gバイト、512Gバイトとなっている。また、フォームファクタはDDR4となっており、標準的なDDR4スロットに収まるものの、その互換性は同社が今後展開していく「Xeon Scalable」プロセッサに対してのみとされている。
Spelman氏は発表に、「従来のDRAMとは異なり、Optane DC不揮発性メモリは大容量と手頃な価格、不揮発性を併せ持つ今までにない製品だ」と記している。
「手頃な価格帯のシステムメモリが持つ容量を拡張する(CPUソケットあたり3テラバイト超)ことで、エンドユーザーはこの新型メモリを搭載したシステムを用い、より大きなデータをプロセッサに近いところに移送し、管理するとともに、システムストレージからのデータ取得というレイテンシの高い処理を最小化することで、自らのワークロードを今まで以上に最適化できるようになる」(Spelman氏)
Intelによると、Optane DC不揮発性メモリを搭載したシステムは、DRAMのみで構成されたシステムをコールドスタートさせる場合と比べて、再起動時間が分単位から秒単位に短縮されるとしている。またこの新型メモリによって、より多くのサーバインスタンスの生成と、より高速な分析が可能になる。
Intelは、Optane DC不揮発性メモリの一般提供に先立って開発者向けに、同メモリを搭載したシステムへのリモートアクセスを「Intel Builders Construction Zone」を通じて提供する。また同社は、開発者らがアプリケーションを再設計し、この新しいメモリレイヤの利点を享受できるようにすることを奨励している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。