HPE、「HPE SimpliVity」にMS Hyper-V対応版--中小企業の仮想化を推進

渡邉利和 2018年06月01日 10時13分

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 日本ヒューレット・パッカード(HPE)は5月31日、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品「HPE SimpliVity 380」にMicrosoft Hyper-Vに対応した新製品を追加したことを発表した。併せて、購入前の簡易検証施設として本社内に「HPE SimpliVity圧縮体感センター」を開設したことも発表した。

 HPE SimpliVityは、2017年1月のSimpliVity買収によってHPEの製品ラインナップに加わったHCI製品で、これまではVMware vSphereに対応した製品が提供されていた。今回のHyper-V対応製品の追加によってHPE SimpliVityは、マルチハイパーバイザ対応製品となる。「HPE SimpliVity Gen10 Microsoft Hyper-V対応モデル」は同日に発売され、最小構成価格は150万6400円からとなる。

「HPE SimpliVity 380」Microsoft Hyper-V対応版のコンセプト
「HPE SimpliVity 380」Microsoft Hyper-V対応版のコンセプト
日本ヒューレット・パッカード 執行役員ハイブリッドIT事業統括本部長の五十嵐毅氏
日本ヒューレット・パッカード 執行役員ハイブリッドIT事業統括本部長の五十嵐毅氏

 概要を説明した執行役員 ハイブリッドIT事業統括の五十嵐毅氏は、ユーザー企業のクラウドシフトは、“オンプレミスからパブリッククラウドへ”、というシンプルな動きではなく、実際にはパブリッククラウドに移動したアプリケーションを再度プライベートクラウド/オンプレミスに戻すケースが増加しているなどの調査結果を紹介。「未来はさまざまな環境の良いとこ取りによる『Hybrid IT』にあるが、その実現はユーザー企業にとって簡単なことではない」と指摘し、同社の役割を「“クラウドインテグレーター”としてユーザー企業を支援することだ」とした。

 また、HPE SimpliVityの詳細について同社 ハイブリッドIT製品統括本部 エバンジェリストの山中伸吾氏は、その強みとして「仮想マシン中心型管理(VM Centric Management)」と「秒速バックアップ・リストア」の2点を挙げた。

 まず、仮想マシン中心型管理については、従来の仮想化システムの運用管理では、運用管理者が最終的にどの仮想マシン(VM)がどの物理サーバ上で稼働し、どのストレージにアクセスしているかといった物理層の状況を理解した上で管理を行っていたが、HPE SimliVityではHCIということもあり、物理層の詳細は見せず、VM単位での運用管理のみを実施する設計となっている。このため、運用管理者に物理層までの詳細な理解を要求することがなくなり、どのVMに対してどのような操作を行うのか、という点のみに注力すればよく、運用管理負担が大幅に軽減されるという。

 また秒速バックアップ・リストアは、筐体内に搭載された専用ハードウェアアクセラレータによるデータの高速な圧縮/重複排除によって実現される機能だ。重複排除機能によって、既にストレージ上に存在するデータと同じデータが書き込まれる場合は、データの重複した書き込みは行わず、既存のデータブロックに対してリンクを設定するだけとなる。このため、実際にデータ書き込みを行う場合に比べると、ごく短時間で処理が完了する。

 これをバックアップにも活用するが、バックアップとしては既存データのコピーを作成する処理なのため、バックアップ作成時点で当該データは全てストレージ上に存在することから、改めてコピーは取らず、既存データへのリンクだけを作成して作業が終了する。この結果、バックアップの作成時間は60秒以内で、ほとんどの場合は1秒程度で完了するという。この方式だと、元のデータブロックが失われるとバックアップも意味をなさなくなってしまうが、HPE SimpliVityではデータの書き込み時を常に2筐体に同時に行い、筐体間コピーを作成するようになっているため、ハードウェア障害にも対応できる。

 こうした機能を前提として、比較的短期間で複数世代のバックアップを作成、保持しておくことが可能になる。これを利用してランサムウェアによる不当なデータ暗号化処理などが行われた際にも、迅速に感染前の状態に復旧できた事例があるなど、運用管理負担の軽減に大きく寄与しているという。

日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT製品統括本部エバンジェリスト
の山中伸吾氏
日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT製品統括本部エバンジェリスト の山中伸吾氏

 山中氏は、HPE SimpliVityの位置付けについて、既にパブリッククラウドとの連携環境を運用しているような中・大規模のユーザーはHPE Synergyなどの利用が想定され、HPE SimpliVityのユーザーとしては、まず既存環境を仮想化するところから着手し、将来的にハイブリッドITの実現を目指すような中小規模のユーザーが主要ターゲットだと語る。

 そのため、こうしたユーザーにとってはMicrosoft Azureとの連携が容易であったり、慣れ親しんだWindowsの運用管理ノウハウが援用できるHyper-Vベースのシステムであることが使いやすさに直結するという。

「Hybrid IT」の展開イメージ
「Hybrid IT」の展開イメージ

 なお、HPE SimpliVity圧縮体感センターは、ユーザーデータを使って実際の圧縮効率がどの程度になるのかを事前に確認できる簡易的な検証設備として用意されるもの。ユーザー環境内に実証環境を構築するよりも簡単かつ短期間で確認が可能だという。

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