Appleは米国時間6月4日、カリフォルニア州サンノゼで開催中の年次開発者会議「Worldwide Developers Conference」(WWDC)で、「iOS 12」を発表した。何よりもパフォーマンスを重視したバージョンだという。
登壇したAppleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントCraig Federighi氏は、AppleのモバイルOSはどのOSよりも導入のペースが速いと述べた。
しかし「われわれが、より重視しているのは顧客満足度」と同氏は述べ、「iOS 11」が95%という高い満足度評価を得ていると述べた。iOS 12で、Appleが「パフォーマンスをさらに強化した」のも、そのためだという。
iOS 12は、iOS 11をサポートするすべての端末に提供される予定で、Appleのこれまでのリリースの中で最も対象範囲が広いとFederighi氏は述べた。
「iPhone 6 Plus」を使ったストレステストでは、iOS 12のシェアシートの読み込みは最大で2倍高速になったという。さらに旧型の端末を使ったテストでは、キーボードの起動が50%、アプリの起動が40%、カメラの起動が70%高速化された。
Federighi氏はさらに、iOS 12の多数の新機能を発表した。まずは、拡張現実(AR)関連の機能だ。AppleはPixarとともに、「usdz」という新しいファイル形式を作成した。Federighi氏はこれを「『Quick Look』のAR版のようなもの」と形容した。共有に最適化されており、さまざまなシステム上で動作するという。
またARプラットフォーム「ARKit」の最新版「ARKit 2」も発表された。
Federighi氏はこのほかに、ユーザーがスマートフォンの使用時間を把握できるようにするためのツールや機能も紹介した。就寝時に設定する「Do Not Disturb」は、夜間にシンプルな暗い画面を表示し、通知を表示しない機能だ。起床して1日を始める準備が整ったら、タップ操作で通知を表示することができる。
また、通知をトピックやスレッドによって分類できる、グループ通知の機能が追加される。保護者が子供のスマートフォンを設定し、特定のアプリやコンテンツの利用を制限する方法も追加される。
最大32人が同時にビデオ通話できる「Group Facetime」も追加される。「Facetime」は「Messages」にも統合され、グループ内のチャットをGroup Facetimeへ容易に切り替えることができる。
WWDCで発表されたその他の新機能としては、決まった操作を実質的に自動化できる「Siri Shortcuts」がある。また、新しいアニ文字と、自分の顔でアニ文字を作れる「Memoji」も発表された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。