Hewlett Packard Enterprise(HPE)は6月19日から21日まで、米ラスベガスで「HPE Discover Las Vegas 2018」を開催している。初日の基調講演には最高経営責任者(CEO)のAntonio Neri氏が登場、インテリジェントエッジとしてエッジコンピューティングへのフォーカスを打ち出した。同社は今後4年で40億ドルをこの分野に投資することも約束した。
4年で40億ドルを投資ーーインテリジェントエッジにフォーカス
2015年にPCとプリンタ事業を切り離して誕生したHPE、分社化を決断しその後2年CEOとして新生HPEを軌道に乗せたMeg Whitman氏の後を継いだのがNeri氏だ。2018年2月よりHPEを率いている。
分社化プロセスをWhitman氏と共に進め、主として戦略に携わっただけあり、Neri氏の基調講演はWhitman氏の穴を感じさせないものだった。Neri氏は「将来のビジョン」としてデジタルトランスフォーメーションの加速、新しい分野としてのインテリジェントエッジ、ハイブリッドクラウド(プライベートクラウドとパブリッククラウドの「ライトミックス」)、新世代のコンピューティング「メモリドリブン」の4つについて話した。
基調講演の目玉となったインテリジェントエッジは、2016年に発表した「HPE Edgeline」以来、HPEのフォーカス分野となっている。「エッジとは顧客との接点、製造の現場であり、ここに大きなチャンスがある。全てがコンピュートし、データを生成する時代、エッジは(機械学習や自動化により)もっとインテリジェントになる」とNeri氏。

最高経営責任者(CEO)のAntonio Neri氏
そして、「われわれの顧客、パートナーの顧客がこのチャンスを活用できるようにすることにフォーカスしている。そのために、今後4年で40億ドルをインテリジェントエッジに投資する」と続けた。
インテリジェントエッジはIoTサーバとネットワークのArubaが受け持つ。Neri氏は研究開発への投資による新しい製品やサービス、コンサンプションモデルをさらに強化すると述べる。技術分野としては、コネクティビティ、セキュリティ、自動化やAIなどを挙げた。「エッジで生まれるデータの94%が活用されていない。これを活用できるようにする」とNeri氏、「HPEは将来顧客が成功することを念頭に製品や戦略を設計している。新しい企業と思ってほしい」と述べた。
HPE Discoverでは、HPE Edgelineで48TBのソフトウェア定義ストレージを追加できる「HPE Edgeline Extended Storage Adapter」オプションなどの強化を行ったほか、Arubaではブランチ向けのSD-WANソリューション「SD-Branch」を発表した。SD-Branchでは数週間かかっていた支店などのネットワーク設定が1日で行えるという。