KDDI総合研究所、軽量化、省電力化した新型のスマートブイ開発

NO BUDGET

2018-06-23 08:00

 KDDI総合研究所は6月19日、従来のものと比較して大幅に軽量化・省電力化した新型のスマートブイを開発したと発表した。新型では、従来のLTEに加えて、IoT向けの無線通信方式LPWA(Low Power Wide Area)対応の通信モジュールも搭載可能にしている。

 また、内部の通信モジュールの交換によって、省電力で広範囲の通信可能範囲を有するセルラーLPWAの一種であるLTE-M(Cat.M1)や、従来のLTE通信よりも低消費電力化を実現しているLTE Cat.1など複数の通信方式に対応しており、スマートブイからクラウド上のデータベースに直接データを蓄積できる仕組みを搭載している。

 スマートブイは、各種センサや通信機能を搭載したブイで、漁獲量の予測を実現し、効果的な出漁判断などによる漁業の効率化に役立つ。これまでの実証実験により、漁獲量の実績データと、スマートブイで得られるセンサデータや周辺の気象データを組み合わせて分析することで、おおまかな漁獲量予測が可能との結果が得られている。

 従来のスマートブイでは、搭載している一次電池の寿命が約1カ月で定期的な電池交換作業が必要となり、重量が20kg以上で、ブイ運用に関する作業負担が大きいことが課題となっていた。また、従来のスマートブイは、1台で複数の多様なセンサ(水温・水圧、塩分濃度、潮流など)を搭載しているが、構造的な複雑さや、頻繁な清掃の必要性などの面で、メンテナンス性にも課題があった。

 これまでの実証実験の結果から、水深が異なる位置に対応した複数の水温センサだけで、漁獲量を十分予測できることがわかったたこともあり、新型のスマートブイは、多層の水温測定が可能な水温センサの他、塩分や溶存酸素などさまざまなセンサを目的に応じて交換・接続できるようにし、重量を50%程度に軽量化できた。

実証実験中の新型スマートブイ(右)と従来型(左)
実証実験中の新型スマートブイ(右)と従来型(左)
新型と従来型の比較
新型と従来型の比較

 今後、実証実験を通じて取得したセンサーデータや連続動作のデータを検証し、漁獲量予測に活用していく予定。

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