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DeNAのKaggle日記

第1回:なぜDeNAは「Kaggler」を集めているのか?

山田憲晋 (ディー・エヌ・エー)

2018-07-25 06:50

 「Kaggle」とは、企業や研究者がデータを投稿し、世界中のデータサイエンティストがその最適モデルを競い合う、予測モデリング及び分析手法関連プラットフォームです。Kaggleのシステムはコンペティション方式を採用しており、参加者の提示したモデルは即時に採点され、順位が表示されます。コンペティションに参加し、最高精度のモデルを提示したデータサイエンティストには、コンペティションの主催者から賞金が支払われます。

 ディー・エヌ・エー(DeNA)では、このKaggleに参加するデータサイエンティスト(以降、Kaggler)を対象にした「Kaggle社内ランク制度」という変わった仕組みを導入しました。当社がなぜKaggleに注目し、Kagglerの積極採用を進めているのでしょうか。

DeNAのAI組織

 近年、人間の精度を超えた画像判別ができるようになったり、AlphaGoが囲碁のトップ棋士に勝利したりと、ディープラーニング(深層学習)に代表される人工知能(AI)技術が世の中に大きな変革を起こしています。これまでDeNAは、インターネット上での大規模なシステム構築力と運用力を強みとしてビジネスを成功させてきました。しかし、クラウド技術の進展とともに大規模トラフィックをさばく技術のコモディティ化が進んだことにより、もはや技術的な強みと言えなくなりつつあります。

 そこでDeNAは、今後10年をかけて“インターネット+AIのコア技術を保有してビジネスを加速させていこう”という大方針を定めました。これまでも機械学習やディープラーニングの事業活用に少数精鋭で取り組んできましたが、研究開発を加速させるため、AIシステム部を発足しました。

データアナリストとデータサイエンティストの違い

 AIシステム部では、ディープラーニングなどを専門とするAI人材の採用を積極的に進め、自動運転の要素技術としても使われるコンピュータビジョンや、AlphaGoでも使われている強化学習などのAI研究開発に取り組んできました。ただ、DeNAの各事業のニーズをヒアリングしていくと、必ずしも専門的なディープラーニング技術を必要としない、機械学習の課題も多く転がっていることに気付きました。

 DeNAでは、事業部の中にデータ分析の専門家であるデータアナリストが存在します。データアナリストは、サービスを深く理解し、高いコミュニケーション能力で運用担当者から本質的な課題を吸い上げつつ、サービス改善のための詳細分析を実行します。

 このように、DeNAの中には、ビジネススキルの高いデータアナリストが多数いますが、需要予測、売上予測、異常検知など、機械学習モデルの構築に優れた知見と経験を持つ人材が、圧倒的に不足していることに気付きました。その能力を兼ね備えた人材こそがKagglerであり、Kagglerの採用を積極的に進めることにしました。

「Kaggle社内ランク制度」誕生背景

 Kagglerにとって魅力的な環境が何かを検討した結果、出来上がったのが「Kaggle社内ランク制度」です。

Kaggle社内ランク制度
Kaggle社内ランク制度

 Kaggle社内ランクは、業務時間を使ったKaggleへの参加を認める制度です。どの程度の時間を割いていいかは、Kaggleでの成績をもとに決定します。Kaggle社内ランク制度に参加しているAIシステム部のデータサイエンティストチームメンバーは、事業貢献と同時に、Kaggleで良い成果を出すことも目標の一つであり、日々、メンバー間で切磋琢磨したり、協力したりしながらKaggleの課題に取り組んでいます。

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