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Google Cloud Next 2018

「GKE On-Prem」で選択肢を増やす--グーグル、企業向けクラウドで攻勢

末岡洋子

2018-08-01 07:00

 Googleは7月24~26日、米サンフランシスコで年次イベント「Google Cloud Next 2018」を開催。“クラウドを全員に”をテーマに、新たなクラウド基盤「Cloud Services Platform」をはじめ、コンテナ管理ツール「Kubernetes」をオンプレミス環境で稼働する「GKE On-Prem」などを発表した。「顧客の選択肢を増やす」と同社は説明する。

Googleでテクニカルインフラストラクチャ担当シニアバイスプレジデントを務めるUls Holzle氏。社員番号は8番だ
Googleでテクニカルインフラストラクチャ担当シニアバイスプレジデントを務めるUls Hölzle氏。社員番号は8番だ

 24日の基調講演に登壇した、Googleでテクニカルインフラストラクチャ担当シニアバイスプレジデントを務めるUrs Hölzle氏は、「“クラウド”という言葉がないときからサービスを提供してきた。クラウドを全員に届けることにフォーカスしている」と述べる。

 同社をはじめ、ITベンダー各社がクラウドに取り組んでいるが、Hölzle氏は業界の問題を次のように指摘する。「仮想マシンやネットワーク、アクセス権限など、クラウド事業者によって設定方法が異なる。これが複雑性を生んでいる」

 各社独自の方法を強いることから、管理コストが増えているというわけだ。企業の8割が複数のクラウド(マルチクラウド)を活用し、オンプレミスと組み合わせたハイブリッドクラウドも多いという。クラウドごとにセキュリティポリシーを設定したり、サービスへのアクセス制御を設定したりしなければならず、作業負担が増えている。実際、IDCの調査では、2010~2015年の5年間でサーバのコストは15%下がったが、管理コストは83%増えているとのことだ。

 これに対するGoogleの回答の一部が、「Kubernetes」や「Istio」だ。

 Kubernetesは、同社が社内で開発、利用するコンテナオーケストレーションツール。自社サービスでの10年以上にわたるコンテナの運用実績が盛り込まれているという。4年前にLinux FoundationのCloud Native Computing Foundation(CNCF)に寄贈し、オープンソースとして公開した。現在では、「業界標準のコンテナオーケストレーションツールになっている」とHölzle氏は話す。また、Kubernetesをマネージドサービスとして提供する「Google Kubernetes Engine(GKE)」も用意する。

 Istioは、マイクロサービスの「サービスメッシュ」を管理するソフトウェア。Google、Red Hat、Cisco Systems、IBMなどが共同で開発を進めるオープンソースプロジェクトだ。Kubernetesと組み合わせることで、マイクロサービスの実装を容易にすることができるという。「Istioにより、開発者は共通のサービスとセキュリティモデルを持つプラットフォームを得られる」とHölzle氏はメリットを強調する。Istioのバージョンは現在「0.8」で、間もなく「1.0」に達するという。

Istioでマイクロサービスの関係を表示
Istioでマイクロサービスの関係を表示

 そして今回発表されたのが、GKE On-Premだ。オンプレミス環境でKubernetesクラスタを実行できるようにするもので、「データセンター内で稼働するKubernetesのマネージドサービス」(Hölzle氏)だ。Google Cloudと同じように管理でき、「新たなゾーンが追加されたようなもの」という

グーグル・クラウド・ジャパンで日本代表を務める阿部伸一氏
グーグル・クラウド・ジャパンで日本代表を務める阿部伸一氏

 GKE On-Premはまずアルファ版で提供される。日本でも関心は高そうだ。グーグル・クラウド・ジャパンの日本代表を務める阿部伸一氏は、GKE On-Premについて「顧客の選択肢を増やしたい。“どこでも使える”を実現するために欠けているものがないようにしている」と説明する。「クラウドかオンプレミスか」といった選択のほか、アーキテクチャの従来型とモダン型も考慮が必要となる。GKE On-Premはアーキテクチャのモダン化を担うという。

 Cloud Services Platformは統合クラウドサービス群。IstioとGKE On-Premのほか、Kubernetesワークロードを管理する「GKE Policy Management」、KubernetesとIstioをベースとするミドルウェアでサーバレスコンポーネントの「Knative」、GKE上でサーバレスワークロードを実行するアドオン「GKE Serverless add-on」、継続的インテグレーション/継続的デリバリ(CI/CD)プラットフォームの「Cloud Build」などが含まれる。

 また、サーバレスプラットフォーム「Cloud Functions」の一般提供(GA)を開始したことも発表している。

ステージに設置したvSphereラック上でGKEクラスタを動かしていた
ステージに設置したvSphereラック上でGKEクラスタを動かしていた

(取材協力:グーグル)

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