グーグルは8月3日、米国で7月下旬に開催した「Google Cloud Next '18」の発表内容をダイジェストで紹介するメディアセミナーを実施した。説明に当たったGoogle Cloud カスタマーエンジニア 技術部長の佐藤聖規氏は、100を超える発表項目の中から重要なものを5つに分類。「G Suite」「セキュリティと信頼」「機械学習とAI」「AIとIoT」「Cloud Services Platform」として、それぞれを解説した。
Google Cloud カスタマーエンジニア 技術部長 佐藤聖規氏
G Suite
まずG Suiteでは、カレンダーの入力が簡素化され、数クリックでスケジュール変更が可能になった。また、オンラインビデオ会議の「Hangouts Meet」にて、テレビ会議参加者が100人まで、ライブストリーミングが10万ユーザーまでサポートされるようになった。
Cloud Searchでは、クラウドのみならずオンプレミスのデータも検索可能に。今後G Suite以外のサードパーティーのデータもインデックスできるようになるという。
セキュリティと信頼
セキュリティに関しては、「予防から発見、修復に至るまで、多層防御が必要だ」と佐藤氏は述べ、新たに登場したセキュリティセンターの調査ツールを紹介した。G Suite Enterprise版で利用可能な同ツールにより、管理者はウイルス感染の可能性があるユーザーを特定できるほか、社外と共有されているファイルの確認や、ドライブファイルへのアクセス権限解除などが可能になる。
アクセス管理機能としては「Context-aware access」を発表。同機能で、ユーザーのデバイスや場所、その他の属性に基づいたアクセスポリシーを定義し、ユーザーの身元やリクエスト状況でGoogle Cloud Platform(GCP)のワークロードやG Suiteへのアクセス制御が可能となる。
Titan Security Key
さらに佐藤氏は、二段階認証用セキュリティキーとなる「Titan Security Key」を紹介。これは、Googleが開発した完全性検証用ファームウェアを内蔵するFIDOプロトコル対応のセキュリティキーだ。クラウド管理者など高い権限を持つユーザーのフィッシング耐性を高めることが可能になるという。
また、GCP上でホストされるハードウェアセキュリティモジュール(HSM)サービスとして、佐藤氏は「Cloud HSM」を紹介。金融機関などで必須とされるハードウェアレベルでのセキュリティにより、法令上追加の保護が必要なアプリケーションなどの暗号キー管理や保護を行うという。