Alibabaグループは多数のグローバル市場向けクラウド製品を発表し、アジア太平洋地域重視の成長戦略を示した。Alibabaが国際的なクラウド市場に参入したのは比較的最近のことだ。しかし同社は、その「若さ」とアジア地域におけるデータセンターの充実度、そして「Anti-Bot Service」などのグローバル市場向け製品のリリースを武器に、Amazon Web Services(AWS)やGoogleに対抗しようとしている。
同社はeコマース企業として有名だが、中国国内では2009年にクラウド事業をスタートさせており、10年近くの実績を積んでいる。「Alibaba Cloud」が中国国外の市場にサービスを拡大したのは2015年のことで、同社はその際、シンガポールに国際本部を設置し、またクラウド事業に10億ドルの投資を行うと宣言した。この資金はデータセンターの規模拡大と、パートナーエコシステムの構築、新規クラウドサービスの開発に投入される予定だとされた。
それから3年が経過した2018年、Alibaba Cloudはシンガポールで現地時間8月15日に、中国国外向けに9つの製品をリリースすることを明らかにしたほか、「ASEAN Partner Alliance Programme」を立ち上げると発表した。後者のプログラムは、今後12カ月間で150社の技術パートナーを獲得し、営業や技術のプロフェッショナルを600人トレーニングすることを目指すものだ。
Alibaba Cloud InternationalのチーフソリューションアーキテクトDerek Wang氏は、国際クラウド市場への参入の遅れがAWSやGoogleとの競争に与える影響について質問され、Alibabaの「若さ」は特にIT業界においてはむしろプラスの要因だと答えた。
Wang氏は、シンガポールで開催されたAlibabaのクラウドサミットの場で米ZDNetに対し、同社の国際市場におけるクラウド事業の歴史は浅いが、中国国内では2009年からクラウド事業の運営能力を磨いてきたと語った。
同氏はまた、AlibabaはGoogleやAWSに比べ、アジア太平洋地域に多くのデータセンターを持っていると述べた。
同社が持つ10の国際データセンターリージョンのうち、6つがシンガポール、オーストラリア、インドネシア、マレーシアを含むアジア太平洋地域に置かれているほか、中国でも8つのリージョンが運用されている。