VMWareは、米国時間8月26日にラスベガスで開幕した「VMworld」カンファレンスで、「VMware Cloud on AWS」のアップデートについて発表した。まず、エントリ価格を50%値下げし、本番環境のワークロード向けにより小規模な構成を提供するという。また、「AWS Direct Connect」の技術とVMwareの機能を活用し、クラウドへの移行を加速できるようにする新機能を提供することも明らかにした。
VMWare Cloud on AWSは、AWSのクラウド上でVMwareが提供するエンタープライズ水準のSoftware-Defined Data Center(SDDC)を利用できるようにするものだ。このサービスを利用すると、顧客はパブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドの各環境をまたいでアプリケーションを実行することができる。
両社は、顧客数に関する詳細は明らかにしていないが、サービスを提供開始して以来、「勢いがみられる」と述べている。
VMWareのクラウド担当PRディレクターのRoger Fortier氏は、150を超えるパートナーがVMware Cloud on AWSのコンピテンシープログラムを完了したことを明らかにした。
値下げに関しては、最小クラスタサイズを3ホストとした。さらに、2ホストの価格で3ホストクラスタを購入可能な期間限定のサービスを提供する。試用のために提供される期限付きの単一ホストSDDCサービス以外では、これまで、VMware Cloud on AWSサービスの最小クラスタサイズは4ホストだった。
またVMwareは、「NSX」とAWS Direct Connectの統合についても発表した。これによって、顧客がより容易にハイブリッドクラウドの環境で接続性を維持し、ネットワーク性能を向上できるようになるという。AWSで稼働するVMWareのワークロードとオンプレミスで稼働するワークロードの間のプライベートで一貫した接続性を実現する。
さらにVMwareは、稼働している各ワークロード向けに必要なCPUコア数を指定できる機能を提供する。実際の利用分に対してのみ支払うことになるため、これらのワークロードを実行するコストを削減できるようになるという。
AWSに関しては、「Amazon Elastic Block Store」を利用した大容量のストレージオプションを提供することを発表している。ストレージインセンティブなワークロード向けにコスト効率の良いストレージの配備を実現するという。AWSのバイスプレジデントであるSandy Carter氏は、このオプションでは、顧客が追加費用を負担することなくストレージをスケールできるようにすると述べた。
また、VMware Cloud on AWSのコアサービスに「VMware Log Intelligence」を追加すると発表した。
同社はさらに26日、VMware Cloud on AWSをAWSのアジア太平洋(シドニー)リージョンで提供開始したと発表した。米国、欧州に続いて、アジア太平洋でも利用可能になった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。