検索技術を手がけるElastic N.V.が米国時間10月5日に新規株式公開(IPO)を果たした。取引開始時、同社の株価はIPO価格の2倍近くの値を付け、上場後1時間がたっても、利益を維持した。
カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置く(正式にはオランダで法人化されている)Elasticは700万株を提供したが、それをはるかに上回る申し込みがあった。4日夜の価格は36ドルで、想定されていたIPO価格レンジの33ドル~35ドルを上回った。この価格自体も、当初の26ドル~29ドルから上昇していた。IPOで、同社は700万株を販売し、2億5200万ドルを調達した。
Elasticの技術は、ライドシェアリングサービスのUberやLyftのドライバーのマッチングや、Tinderの出会い系アプリケーションでのユーザーのマッチングなど、さまざまな検索で使用されている。Cisco SystemsはElasticのソフトウェアを使用して、自社のEコマースポータルに掲載する商品を選別および分類している。SprintはElasticの技術を使用して、毎日、同社の小売店舗事業などの何十億件もの記録(サーバやデータベース、アプリケーションログ、電子メール、小売店舗からのAPIコールなど)を管理している。
Elasticのソフトウェアは複数のパブリッククラウドコンピューティング環境で利用可能であるとともに、オンプレミス、あるいはハイブリッド環境でインストールできる。同社のIPO申請書類(Form S-1)には、さらに詳しい情報や顧客事例が記載されている。
Elasticは自社のソフトウェアの速度と規模を強調した。例えば、同社は速度について、次のように説明している。
「『Elasticsearch』に格納されるデータは全てデフォルトでインデックス化されるので、ユーザーが実行したいクエリを事前に決定する必要はない」
「当社のアーキテクチャはスループット、データが利用可能になるまでの時間、クエリ遅延を最適化する。Elasticsearchは1秒間に何百万件ものイベントを容易にインデックス化することが可能で、新たに追加されたデータもほぼ瞬時に検索対象になる」
規模の例として、Tinderでの検索について、「毎日170億を超えるイベントと3億のElasticsearchのクエリが行われている」としている。
Elasticは2012年に創業され、同社の主要技術である「Elasticsearch」を開発したShay Banon氏が率いている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。