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MathWorks、AIやNVIDIA GPUのサポートを強化

阿久津良和

2018-11-01 06:00

 MathWorksは10月30日、年次イベント「MATLAB EXPO」を都内ホテルで開催した。本稿では別途開催した同社の「MASLAB R2018b」「Simulink R2018b」に関するアップデートと、NVIDIAの深層学習開発に関する記者説明会の様子を紹介する。

 社名の現す通り数学的計算に強みを持つMathWorksは、プログラミング環境を提供する。データ解析やアルゴリズム開発、数学モデリングを行うMATLABと、シミュレーション実行やコード生成、組み込みシステム検証を行うSimulinkを提供しているが、両者の最新版にあたるR2018bを9月30日にリリースしている。MATLAB EXPOの開催に合わせて、R2018bに関するアップデートの説明を日本法人のMathWorks Japanが行った。

MathWorks Japan インダストリーマーケティング部長の阿部悟氏
MathWorks Japan インダストリーマーケティング部長の阿部悟氏

 今回のアップデートでは深層学習に関する機能を大幅に強化しつつ、以前から提供していたNeural Network Toolboxを「Deep Learning Toolbox」に改称した。同ツールは、深層学習の設計・実装フレームワークとして、画像データのラベリングや音声の波形特徴のラベリングなど、多岐にわたるデータに対応する。MathWorks Japanは、「以前から提供していた自動運転車向けのAutonomous Toolboxから機能を取り込んでいる。われわれは拡張性を重視しているため、デスクトップPCやワークステーション、クラウド(上の仮想マシン)で利用可能」(インダストリーマーケティング部長の阿部悟氏)と説明した。

 また同社は、7月にONNX(オープン・ニューラルネットワーク・エクスチェンジ)コミュニティーへの参画も表明し、他の深層学習フレームワークとの互換性を高めている。R2018bが備える「ONNX Converter」を用いると、ONNX形式を中間フォーマットとして、ChainerやMicrosoft Cognitive Toolkit、Keras-TensorFlow、Caffe 2などとの相互変換に対応した。なお、PyTourchはインポート、MXNetへはエクスポートのみとなる。この他にもネットワークアーキテクチャの作成や転移学習に用いるネットワークを構成するDeep Network Designerの更新や、処理の最適化に用いるGPU CoderはIntel MKL-DNN、ARM Compute Libraryに加えて、NVIDIAのCUDAをサポート。MathWorks Japanは、「今回はパフォーマンスを改善し、1秒間の画像処理枚数が大幅に向上する。これで開発初期段階から実装までシームレスに進む」(阿部氏)とアピールした。

R2018bの主な改善点
R2018bの主な改善点

 さらに今回、NVIDIA GPU Cloud(NGC)およびNVIDIA DGXシステムのサポートを表明した。NGCは深層学習環境の構築や実験、運用を支援するため、深層学習ツールをコンテナイメージとして提供するサービスだ。2017年10月時点では10のイメージにとどまっていたが、2018年10月時点では50イメージにまで拡大、「10月下旬にR2018bを追加した。コンテナイメージはデスクトップPCやワークステーション、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloudで利用できる」(NVIDIA エンタープライズマーケティング本部 シニアマネージャ 佐々木邦暢氏)という。各パブリッククラウド上の仮想マシンは、GPUドライバやDocker拡張を事前に用意し、NGCで配布するコンテナイメージをそのまま利用できる。

NVIDIA エンタープライズマーケティング本部 シニアマネージャの佐々木邦暢氏
NVIDIA エンタープライズマーケティング本部 シニアマネージャの佐々木邦暢氏

 前述の通りNGCは、AWSやMicrosoft Azureのようなパブリッククラウドではなく、「Dockerイメージを配布するクラウドサービスという位置付け」(佐々木氏)だ。NVIDIAは、「GPU対応コンテナイメージを広く提供することで、GPUを利用するすそ野を広げたい」(佐々木氏)と目的を語った。なお、NGCは無償利用できる。

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