スパコン「TOP500」ランキング発表--米国の「Summit」と「Sierra」が1位と2位に

Natalie Gagliordi (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-11-13 10:26

 米エネルギー省(DOE)のスーパーコンピュータ「Summit」が最近アップグレードされ、143.5ペタFLOPSという性能に達したことで、スーパーコンピュータ世界最速ランキング「TOP500」で2位以下との差を広げた。

 TOP500の2018年11月版ランキングでは、Summitの姉妹機である「Sierra」も、アップグレードにより94.6ペタFLOPSという性能を達成し、2位の座を中国の「Sunway TaihuLight」(神威・太湖之光)から奪い取っている。

 オークリッジ国立研究所(ORNL)に設置されているSummitは人工知能(AI)の活用を念頭に置いて設計されており、高エネルギー物理学や、新素材の発見、ヘルスケアといったさまざまな分野での研究に利用されている。Summitはある種の科学アプリケーションにおいて、1秒あたり300京(京は1兆の1万倍)回以上の混合精度計算を実行できる能力を有している。

 一方Sierraは、DOEの国家核安全保障局(NNSA)とローレンスリバモア国立研究所(LLNL)が共同で実施しているスーパーコンピュータプロジェクトだ。SummitとSierraはいずれも、IBMが構築したスーパーコンピュータであり、「POWER9」プロセッサと「NVIDIA Volta GV100」GPUを搭載している。

 2年にわたってTOP500の王座に君臨していた中国は、Summitが6月時点で首位になったため、2位にランクを下げていた。今回のランキングでは、High Performance Linpack(HPL)で93.0ペタFLOPSを記録しているSunway TaihuLightは3位となった。4位は中国・広州の国立スーパーコンピュータセンターに設置されている「Tianhe-2A」(天河二号)、5位はスイス・ルガーノのスイス国立スーパーコンピューティングセンター(CSCS)に設置されている「Piz Daint」だった。

 日本からは富士通が国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)向けに構築した「人工知能処理向け大規模・省電力クラウド基盤(AI Bridging Cloud Infrastructure:ABCI)」が7位にランクインしている。

TOP500の2018年11月版ランキング

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    ランサムウェア攻撃に狙われる医療機関、今すぐ実践すべきセキュリティ対策とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]