富士通は8月22日、スーパーコンピュータ「京」の後継機に搭載するCPU「A64FX」の仕様を公表した。
A64FXは、幅広いアプリケーションに対応する汎用性、Tofu(Torus fusion)インターコネクトによる超並列、超低消費電力、メインフレームクラスの高い信頼性などを実現する。英ArmのArmv8-A命令セットアーキテクチャをスーパーコンピュータ向けに拡張した「SVE (Scalable Vector Extension)」を採用した。
「A64FX」のブロック図(出典:富士通)
Tofuインターコネクトによる超並列は「京」に向けて開発された独自技術。CPUとCPUの間を直結して並列性能を向上させる。これにより、倍精度(64ビット)浮動小数点演算のピーク性能が2.7TFLOPS以上、単精度(32ビット)ではこの2倍、半精度(16ビット)では4倍の演算スループットが得られる。
富士通では、ポスト「京」の開発を通じて、コンピュータシミュレーションを用いた先端的な研究、健康長寿、防災・減災、エネルギー、ものづくり分野などの社会的・科学的課題の解決や産業競争力の強化、ビッグデータや人工知能(AI)分野への適用拡大により「Society 5.0」の実現に貢献していく。
仕様の概要は下図の通り。
A64FXの仕様(出典:富士通)
注2 DGEMM:ベンチマークに使用される計算プログラムの部品。行列の積を計算するサブルーチン
注3 STREAM Triad:メモリアクセス性能指標として使用されるベンチマーク。プロセッサがメモリにアクセスする際の持続的なメモリバンド幅を測定