調査

「RPA」関連の求人が前年比6.4倍に--最高3000万円の提示年収も

ZDNET Japan Staff

2018-11-20 12:51

 ビズリーチは11月20日、同社が運営する求人検索エンジン「スタンバイ」が実施した「ロボティックプロセスオートメーション(RPA)」関連求人の動向調査結果を発表した。これによると、同サイトに10月に掲載された全求人935万件のうち、求人の中にPCの定型作業を自動化する「RPA」の単語を含む求人が前年同月比6.4倍に増加していることが分かった。

 ビズリーチによると、スタンバイは正社員、アルバイト・パート、派遣社員など、国内の全業種・全職種・全雇用形態を対象に、複数の求人情報サイト、企業サイト、ハローワークなどの900万件以上の求人を一括で検索できるサービス。今回の調査では、10月31日時点で求人のタイトルまたは本文に調査した単語を含むものを集計している。

 調査では、「RPAエンジニア」の単語を含む求人数は同9.1倍、「RPAコンサルタント」の単語を含む求人数は同6.0倍だった。さらに、求人の中で提示された最高年収を見ると、「RPA」と「RPAコンサルタント」で3000万円、「RPAエンジニア」で2000万円となり、この結果から、RPA関連人材のニーズの高まりがうかがえるとしている。

スタンバイ調べ(出典:ビズリーチ)
スタンバイ調べ(出典:ビズリーチ)

 なお、スタンバイによる考察は次の通り。

RPAツールの国内市場規模拡大に伴い、RPA関連求人が増加

 富士キメラ総研によると、定型化された業務の自動化を行うRPAツールの国内市場規模は、2022年度に315億円(2017年度比3.8倍)になると予測されている。スタンバイにおける「RPA」の求人数も前年同月比6.4倍となっており、市場の急成長に伴い、求人も急増していることが分かる。

 スタンバイにおけるRPA関連の求人を見ると、IT企業やメーカーでRPA業務の構築やシステム設計などを行うエンジニア、RPA関連部署のマネジメントを行うRPA管理者、コンサルティング会社でRPA導入の支援を行うRPAコンサルタントに関する求人が目立つ。また、RPAに関するスキルや経験を有する人材へのニーズが高まり、RPA関連求人の最高年収は2017年10月の2000万円から2018年10月には3000万円へと、1.5倍になっている。

日系大手企業がRPAを導入、大手人材派遣会社もRPAに精通した派遣労働者を育成

 人手不足が深刻化する中、金融機関・メーカー・旅行会社など日系大手企業がデータ入力作業などでRPAを導入し始めている。

 また11月初旬には、大手通信会社が通信事業のサービス提供料金の引き下げを実現するために、通信事業に携わる従業員数千人を新規事業に配置転換し、これまでの業務についてはRPAに置き換えることで業務の効率化を進め、コストを削減すると発表した。この他にも、RPAに関するスキルや経験を有する人材のニーズの高まりを受け、大手人材派遣会社数社が2018年夏頃からRPAに精通した派遣労働者の育成に注力。RPAについて学ぶ集中講座などを開講し、派遣労働者のRPAに関するスキルを高める取り組みを実施している。

 2025年には日本で約583万人の労働力が不足する見通しで、企業のRPA導入は急増し、RPA関連の求人はさらに急増すると予想される。

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