マツダは、データベース仮想化ソフト「Delphix」を導入、システム開発におけるデータ準備の待ち時間を大幅削減した。国内販売を手がけるアシストが11月15日に発表した。
マツダでは、新たなシステム開発スキームの確立に取り組んでおり、設計から作り込みの工程においては、開発プロセスやルールの整備、標準化や共通化など、ある程度の効率化の目途が立っていた。しかし一方で、テスト工程の効率化は未着手で、データの準備をはじめ、複数の開発者のテストによるデータベース更新の競合を回避するための調整に多大な工数がかかり、大きなボトルネックとなっていた。
Delphixは、データベースの複製と配布を迅速化し、任意の時点のデータを取得したり、瞬時に復元したりできる。マツダはこの機能に着目し、データベースの特定の時点のデータを取得することで、手作業でのデータ作成、保管作業を不要にした。テストの繰り返しや切り替えにおいても、データの入れ替えが容易になった。
従来の作業では、テストケースに応じたテストデータは、現行システムを熟知した担当者が、複数テーブル間のデータの整合性を考慮して作成しており、データの取得や保管も手作業だったため、多大な時間がかかっていた。また、テスト実行時においては、最初のテストケースでデータを更新した後、次のテストケースを実行する前にデータを手動で戻す必要があるなど、データの切り戻し作業が発生していた。これらの作業は、「テストケース数×実行回数」で発生するため、テスト全体で見ると多くの時間を要していた。