NTTコミュニケーションズは11月20日、「コンタクトセンターDXソリューション」を12月1日から提供開始すると発表した。対話型AI(人工知能)エンジンとRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を組み合わせ、コンタクトセンターの応対から事務処理までのプロセス全体を自動化する。
人間が中心となる従来のコンタクトセンターに代わり、AIとRPAがメインとなって業務を完結させる。これにより、電話オペレーターや店舗従業員は、顧客体験の向上させる業務に注力できるようになる。AIとRPAが中心となって業務を行うことで、応対許容量を容易に増減でき、季節や時間帯による業務の拡張・縮小に迅速かつ柔軟に対応できる。
コンタクトセンターDXソリューションの特徴(出典:NTT Com)
NTTの対話型自然言語解析AIエンジン「COTOHA Virtual Assistant(COTOHA VA)」、NTTグループが開発したRPA「WinActor」、大規模コンタクトセンターにおける業務自動化の豊富なノウハウなどを組み合わせている。AIによる通話応対やRPAによる作業自動化などを単独で提供するのではなく、ユーザーの業務課題を分析した上で最適な技術を組み合わせ、業務プロセス全体の自動化を実現する。また、応対内容のチューニングによる精度向上など、高い専門性が必要なAI運用も提供する。
NTT Comでは、2017年7〜8月にEC(電子商取引)サイトにおける電話での商品注文受付の自動化実験を実施。オペレーターによる作業で想定された時間より、約60%の時間短縮に成功した。また、12月から飲食店予約サイトと連携した実証実験を始める。
実証実験の概要(出典:NTT Com)
この実験は、予約をしていたにも関わらず、その日時になっても飲食店に連絡がなく、または店の連絡を無視して来店しない「No Show」問題に対応するもので、AIがSMSや電話によりリマインドを自動実行し、飲食店予約者に予約内容を再確認する。また飲食店予約者との応対結果に応じて、予約変更システムへの誘導などの、事務作業をRPAが自動で実行する。