NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、プラント内の反応器の状態を予測するモデル(反応器状態予測モデル)を構築したと発表した。
このモデルは、横河電機と横河ソリューションサービスと共同で、各社のAI/IoT(人工知能/モノのインターネット)技術を連携させて完成させた。3社は4月から共同実験を行っており、同モデルと横河電機のプラント制御シミュレータと組み合わせ、仮想的にプラントを再現するために必要なシミュレータを構築して実施された。
その結果、予測誤差の累積によるかい離を起こすことなく、連続的にシミュレータを実行することに成功した。この技術により、生産プロセスに影響する変動要因の特定や制御パラメータの自動最適化、オペレータ手動操作の自動化など生産制御技術の高度化が期待される。
実証実験の概要
この実証実験は、高度EMS(エネルギー・マネジメント・システム)による生産最適化技術を開発する目的で実施されたもの。製造業企業では、効率的な多品種少量生産の実現、環境規制への対応、品質管理や安全管理の強化、熟練工が持つ暗黙知の継承、生産設備の老朽化対応といったさまざまな課題を抱えており、AI/IoT技術によるプラントのデジタライゼーションによる、生産制御技術の高度化が期待されている。