今年もMicrosoft Connect(); 2018が2018年12月4日(日本時間5日午前1時)に開催される。本来、開発者向けイベントとして、統合開発環境である「Visual Studio」やアプリケーション開発基盤・実行環境の「.NET Framework」に関する機能紹介や最新情報を披露していた。だが、近年はソフトウェア開発と切っても切れない「Microsoft Azure」に関する話題も増えている。
今回は75以上のオンデマンドセッションを設けているが、やはり注目すべきはScott Guthrie氏の基調講演。Microsoftのクラウド&AI担当エグゼクティブバイスプレジデントとして間もなく5年目を迎える同氏だが、近年のテクノロジやビジネスの進展に欠かせない両分野を統括する同氏のアウトプットは注目に値する。例えば、昨年のMicrosoft Connect(); 2017では、開発者がデジタル革命をリードする手法について述べていた。
Microsoftが開催する開発者向けイベントとしては、4~5月のMicrosoft Buildや10~11月のMicrosoft Igniteがあるものの、年末に開催するMicrosoft Connect();は、1年の締めくくりと翌年のロードマップが明確に現れる。もちろん、Microsoftは本稿執筆時点で内容を明らかにしていないが、現在プレビュー中の次期Visual Studioの一般提供(GA)や、昨年も進展があった「.NET Core」辺りに関する発表があるのではないだろうか。
個人的には「Cognitive Services」の拡張に期待したい。Microsoftは2016年9月にR&D部門のMicrosoft Researchと社内のAI関連部門を統合した「The Artificial Intelligence&Research」を設立し、Microsoft AzureやWindows、Officeといった製品に人工知能(AI)機能を展開してきた。他方でAIを活用してコンピュータに認知能力を持たせるCognitive Servicesが、そろそろ新たな能力を身に付けてもおかしくはない。認知能力の拡充は新たなビジネスを創出する可能性があるため、エンジニアのみならず、ビジネスの意思決定者も注目すべきだろう。
前述の通り、Microsoft Connect(); 2018の内容はオンラインで視聴できるが、言語という大きな壁が立ちはだかる。そこで日本マイクロソフトは、著名エバンジェリストがイベント内容をTwitterで解説・説明するソーシャルイベントを開催する予定だ。詳細は公式サイトを参照してほしい。
また、2018年12月20日には、米国の発表内容を日本語で披露する「Microsoft Connect(); Japan 2018」も開催する。残念ながら増枠分も埋まっているため、参加することは難しいが、同社によればオンデマンド視聴を予定している。事前に米国発表を視聴し、国内発表を合わせて視聴すれば、より楽しめるだろう。