シスコシステムズは、将来のインターネット通信動向に関する予測「Cisco Visual Networking Index(VNI) Complete Forecast」の最新版を発表した。
これによると、2017~2022年までの世界のIPトラフィック量は、インターネットが登場した1984~2016年までの総量を上回ると予測する。世界の1カ月当たりのIPトラフィックの総量は、2017年の122エクサバイト(EB)から2022年には396EBに増加する見込みだ。
同レポートは、固定およびモバイルのネットワークに関連する予測とトレンドを、世界全体っと地域別、国別にまとめたもの。独立系アナリストの予測と実際のネットワーク利用データの調査結果をもとに、世界のIPトラフィックとサービス利用についてシスコが独自の予測を行っている。過去13年間に渡り、Cisco VNIの調査は、インターネットの成長の基準として高く評価されている。
その他の予測としては、2022年に世界のインターネットユーザー数は2017年の34億人(総人口の45%)から48億人に増加し、固定とモバイル個人デバイスとの接続数は2017年の180億個から285億個に増加するという。また、デバイスおよび接続の半数以上が「マシン・ツー・マシン(M2M)」となると予測し、2017年の34%から大きく増加する。これは、スマートスピーカー、機器、デバイスなどからの接続が61億から146億に増加するためという。さらに、世界の平均固定ブロードバンド速度は39.0Mbpsから75.4Mbpsに達し、平均Wi-Fi接続速度は24.4Mbpsから54.0Mbpsに達する。
IPトラフィックの地域別増加率(2017~2022年)は、アジア太平洋地域は2022年には173EB/月、32%のCAGR(年平均増加率)、4倍の増加となる。日本は同16.9EB/月、25%のCAGR、3倍の増加となる。また、北米地域は同108EB/月、21%のCAGR、3倍の増加。西欧州地域は同50EB/月、22%のCAGR、3倍の増加となる。
2022年の日本における主な予測(2017年との比較)としては、インターネットユーザーの数は2017年の1億1600万人(総人口の91%)から1億1900万人(総人口の94%)に増加し、2022年の固定とモバイル個人デバイスとの接続の数は2017年の8億個から13億7000万個になるという。また、M2Mが2017年より2.3倍増え、2022年にはデバイスおよび接続の73%を占め、約10億になる。さらに、平均固定ブロードバンド速度は、77.9Mbpsから124.9Mbpsに達し、平均Wi-Fi接続速度は38.6Mbpsから63Mbpsに達する。