これからのマーケターに求められる役割とは--アクセンチュア、新たなCMO像を提示

藤本和彦 (編集部) 2019年01月24日 07時00分

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 アクセンチュアのデジタルエージェンシー部門であるアクセンチュアインタラクティブと、同社傘下のアイ・エム・ジェイ(IMJ)は1月21日、グローバル調査レポート「CMOの役割の再考」の結果について内容を明らかにした。マーケティングに期待される役割の広がりから、最高マーケティング責任者(CMO)の役割も変化が求められていると主張した。

 今回のグローバル調査は、米国、カナダ、英国、ドイツ、オーストラリアの幅広い業界における、マーケティングの意思決定を行う上級役職者250人を対象にオンラインで実施。マーケティングの意思決定を行う上級役職者10人には詳細な電話インタビューを行った。両方の調査から、顧客体験の構築や提供における現在と将来のCMOの役割と、顧客のニーズを満たすための企業全体のコラボレーションの必要性について評価した。調査は2018年7~8月に掛けて実施された。

新たなCMOの役割とは

 調査によると、消費者はこれまで以上にブランドに多くのことを期待している。実際、88%の顧客は自分の経験をパーソナライズしてより魅力的でよりニーズに合った体験を提供してくれる会社を求めている。また、48%の顧客は最適な商品・サービスを提供されていないと、すぐにどこか他で購入をしてしまうという。そうした背景から、87%の組織が、従来の体験はもはや顧客を満足させるには十分ではないということを理解している。

 「CMOの役割はもはや広告宣伝だけではなく、社内のコラボレーションやカルチャーの変革までを担うようになる」とIMJ 執行役員 マーケティング アナリティクス&サイエンス本部長の山本崇博氏は強調する。

IMJ 執行役員 マーケティング アナリティクス&サイエンス本部長の山本崇博氏
IMJ 執行役員 マーケティング アナリティクス&サイエンス本部長の山本崇博氏

 従来のマーケティング部やCMOは、ブランド認知や複数チャネルでのプロモーションなど、広告宣伝が主な担当領域で、その役割もチャネル単位やキャンペーン単位で個別に成果を計測したり、広告宣伝を推進するために各部門長と協力したりといったものだった。

 それが昨今では、よりパーソナライズされたオファーや顧客接点を用意し、あらゆる顧客接点を横断して一貫した体験を提供することが求められるようになっている。そんな中で、CMOの新たな役割はコラボレーションが重要になる。「CMOは今こそ、企業全体で顧客体験をいかに形成し、提供していくかという重要課題に大きな力を発揮すべき」と山本氏は指摘する。実際、90%の調査対象企業が「CMOにはさまざまな事業部門をつなぐ役割がある」と認識しているという。

 このように、自社の顧客体験戦略を社員まで浸透させ社員のエンゲージメントを高め、全社的に顧客体験を追求できるよう社内の部門を横断して連携するなど、社内や部門をつないで社内のマインドセットを浸透させる役割を重要視するのが「コラボレーション主導型マーケター/CMO」だという。

 調査によると、自社の顧客体験が競合よりも勝っていると答えたマーケターは、コラボレーション主導型マーケターで95%、従来型マーケターで68%と、両者には27%の開きがあった。また、マーケティングに求められる役割が拡大するにつれて、従来以上に統合的にスキルが必要とされているという。特に社内のスキル不足が最も顕著なのは、テクノロジとクリエイティブの領域になっている。これらの領域については、多くの企業では「外部パートナーの活用に補完している」(山本氏)という。

 「トップタレントを抱えるエージェンシーと、ビジネスを成長させるという共通の目線にもとで、長期的な関係を構築することが鍵を握る」(同氏)

 コラボレーション主導型CMOに求められているのは、「最高経営責任者(CEO)や最高情報責任者(CIO)、最高技術責任者(CTO)、最高財務責任者(CFO)といった経営幹部に、顧客インサイトを正確に知ってもらえる状態を作り出し、それに基づいて事業全体をチェックして最高の顧客体験を実現するために先導することだ。また、顧客ニーズに合ったテクノロジを整備し、イノベーション文化を作り上げるため、外部パートナーの力もうまく活用しながら推進していく必要がある」と山本氏は調査レポートをまとめた。

コラボレーション主導型CMOの役割と特徴
コラボレーション主導型CMOの役割と特徴

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