北米プロアイスホッケーのNational Hockey League(NHL)がSAPおよびAppleと提携したことで、同リーグの監督たちはまもなく新たなデータ駆動型のリソースを試合中に利用できるようになる。NHLは米国時間1月18日、リアルタイムかつカスタマイズ可能なデータと選手の統計情報を配信する新たなアプリ「Coaching Insights App」を、オールスター戦の連休明けに配備する計画を発表した。
同アプリは、クラウド基盤「SAP Cloud Platform」とインメモリデータベース「SAP HANA」を活用して、競技場とNHLのシステムから送られてくるアイスホッケーの試合データを処理する。具体的には、出場選手のプレー時間やフェースオフ(試合再開時の1対1のパックの奪い合い)の勝率など、各選手とチームに関する60以上のリアルタイム統計を、監督は確認することができる。
NHLの各ビデオコーチは、iPad Proでアプリを使うことができる。また試合ではコーチ用のiPad Proがベンチに用意される。iPad Proはリーグ側が管理・保管するが、チームごとにプライベートアカウントが与えられる。
NHLのシニアバイスプレジデントであるDavid Lehanski氏は声明で、「たくさんの情報が手に入るが、監督はそれらをまだ紙に書き込んでいる」と述べた。「彼らが本来の使い方をしていないのは、簡単かつ効率的に使えて、見たいものが見えるようにすぐにカスタマイズできるプラットフォームがなかったからだ」
SAPはスポーツチーム管理ソフトウェアを提供しており、NHLの他にも、北米プロバスケットボールのNational Basketball Association(NBA)や英プロサッカークラブのManchester City FCといったスポーツチームや競技団体とも既に提携している。2018年には、eスポーツでリードするTeam Liquidと試合データを活用するアプリケーションの共同開発でパートナーシップを締結した。
NHLは、これまでにも他のテクノロジ企業と提携し、最先端のユーザーエクスペリエンスを実現してきた。例えば、Amazon AlexaのリマインダーAPIを活用することで、顧客はAIアシスタントを使って、観戦したい試合の30分前にリマインダーをセットできるようになっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。