アイ・ティ・アール(ITR)は1月24日、国内のCASB(Cloud Access Security Broker)市場の規模の推移と予測を発表した。2017年度の売上金額は6億5000万円で、前年度に比べ2.3倍に急速拡大したという。
CASBは、ユーザー企業と複数のパブリッククラウドサービスの間で単一のコントロールポイントを設定してパブリッククラウドを利用状況を可視化したり制御したりできる。
企業外部のクラウドストレージの認証などのアクセスを制御できるとともにデータを暗号化、シャドーITの防止や可視化、モニタリングなどが可能。パブリッククラウドの利用する際のセキュリティポリシーを全社的に適用できるソフトウェア。サービスとしても利用できる。
企業におけるクラウドサービスの利用機会の増加に伴い、セキュアなクラウド環境構築に向けた需要が高まっているという。
国内CASB市場はまだ立ち上げ期にあるが、参入ベンダーは増加。2020年度の市場規模は3倍強に拡大し、2017~2022年の年平均成長率(CAGR)は非常に高い35.5%を予測しているという。
2016~2022年度のCASB市場規模推移および予測(出典:ITR)
ITRのシニア・アナリストの藤俊満氏は、「CASBは社内ネットワークとインターネットの融合が進み、よりセキュアなクラウドサービスの利用が一般化する環境では必要不可欠なセキュリティソリューションとなる。IT部門の関与なくクラウドサービスを利用するシャドーIT対策のひとつとしても導入が進む」とコメントしている。